LINE株式会社
2019-01-18
業種
IT・通信
目的・効果
従業員間の連絡
主な活用機能
トーク
お話を伺った方
LINE株式会社 蒲池 建介さんへのインタビュー
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Slackは“オープンスペースで気軽に打ち合わせ”、LINE WORKSは“会議室で目的にあったメンバーで打ち合わせ”。ツールを上手に使い分け、コミュニケーションを活性化しています。

国内月間アクティブユーザー数7,800万人超(※2018年9月末時点)を誇るコミュニケーションアプリ「LINE」を運営するLINE株式会社。社内では事業の根幹であるLINEをベースに、LINE WORKSとSlackを使い分け、グローバルにまたがる拠点間のコミュニケーションを活性化しています。どのような使い分けを実践しているのか、ITサポート室 室長の蒲池 建介さんにお話を伺いました。

蒲池さんの担当業務について教えてください。

LINE株式会社は、従来のコミュニケーションアプリの枠を超えて「LINE Pay」などのFintech事業や、AIアシスタントの「Clova」を始めとするAI事業などに次々とチャレンジしています。そんな中で我々エンタープライズITセンター、いわゆる情報システム部門の役割も大きくなっています。私はエンタープライズITセンター内のITサポート室の室長をやっており、主な業務はヘルプデスクです。ソリューションを導入する際に主管となって動くのも我々の部署です。国内だけでなく、韓国、台湾、インドネシア、タイなどを含めた全拠点の基幹システムのサポートを行っています。

LINE社で使われているコミュニケーションツールを教えてください。

コミュニケーションのベースとなるのは、やはり事業の根幹であるLINEです。入社時に個人のLINE IDをLINE WORKSのアドレス帳に登録してもらい、全社的に活用しています。ITサポート室、人事といった組織単位のグループや、国籍や趣味ごとのグループなどもあります。各グループでは頻繁な情報交換が行われており、コミュニティの活性化に貢献しています。そして、グループ会社全体のコミュニケーションツールとして利用しているのがLINE WORKSです。入社すると全員にIDが付与され、チャット、メール、カレンダー、掲示板、ファイル共有など基本的な業務はLINE WORKS上で行っています。また、エンジニアのチームやエンジニアとやりとりをすることが多い社員はSlackも導入しています。

LINE WORKSとSlackはどのように使い分けていますか?

Slackは、「エンジニアのコミュニケーションツール=Slack」という世の中の風潮もあって導入しました。東京や福岡、京都だけでなく、韓国、台湾、インドネシアなどの各地の開発拠点のエンジニアが利用しています。Slackにはパブリックなチャネルがあり、質問を投稿するとそこに属する誰かから回答をもらえます。オープンソースでの開発に慣れ親しんでいるエンジニアにとってSlackはとても使いやすいツールです。

 

一方バックオフィスの社員は、LINE WORKSをメインで使っています。社員検索が必要な場合は、入社時に撮った顔写真と実名をアドレス帳に登録できるLINE WORKSの方が使いやすく、LINEと同じようにスタンプが使える点に愛着を覚える社員も多いようです。

 

ただ職種によってツールを決めているわけでなく、誰とどういう仕事をするかが肝心で、エンジニアと一緒に仕事をする企画の担当者はSlackも利用しています。オープンスペースで大人数で気軽に打ち合わせしているような感じのSlackに対して、LINE WORKSは会議室で1対1で打ち合わせを行うような使い方をしています。LINE WORKSは業務委託や派遣を含めて、全職員にアカウントを付与し、業務に応じて使い分けてもらっています。

LINEとLINE WORKSの使い分けはどうですか?

取引先とはメールでやり取りしていますが、信頼関係を築いた得意先とはLINEでやり取りすることもあります。ただし、企業の機密情報をプライベートのLINEでやり取りすることは避けたいですし、個人情報を取り扱う審査業務部署では社内でもLINEの使用を明確に禁止し、LINE WORKSを使用しています。それでもやはり災害時などの安否確認の際はLINEを通じて連絡がとれるようにしています。コミュニケーションロスが起きるのは、相手がLINE WORKSやSlackを見ていない状況です。そういった場合は、LINEであれば必ず見てもらえるので、LINEを使ってリマインドをすることもあります。

LINE WORKSの魅力と具体的な利用シーンを教えてください。

グローバルなチームで働いているため、昼夜の区別なく情報が行き交います。なので、多国籍な仲間が同じ環境で情報共有できる点、モバイルでもPCでも利用できる点、セキュリティがしっかりしている点を高く評価しています。いつでもどこにいても、自分のタスクや予定の確認から社員同士のコミュニケーション、ドキュメントの共有まで、スピード感を持って業務を進めることができます。あと、多言語の翻訳機能も重宝していますね。

 

また我々は同期入社者のコミュニティ形成のために、同期グループをLINE WORKSで作って活用しています。人事もグループに参加し、入社早々に困ったことがあれば何でもグループに質問できます。数ヶ月経ったら人事が退室し、その後は独自に運用されていきます。弊社は月に2回入社日があるので、こういった仕掛けが同期のコミュニティ形成に欠かせないのです。

LINE WORKSの今後の活用法について教えてください。

LINE WORKSには外部公開APIがたくさんあるので、もっと活用していきたいです。例えば、本社以外のオフィスには受付に人がいないため、そこに自動受付システムを導入しようと検討しています。来客対応RPAサービス ACALL(アコール)が最近LINE WORKS連携※を発表したので、LINE WORKSと連携して訪問先部署へ直接つながるようにしたいと考えています。LINE WORKSに対する改善要望は弊社が一番細かいと聞いています。LINE WORKSの開発初期から私たちがユーザーとなってドッグフィーディング※し、一緒に製品を改良してきたという自負があります。

 

若い世代がどんどん入ってきて、社内コミュニケーションツールのあり方が変わってきつつあると感じています。メールからチャット、SNSへと変わり、PCやキーボードを使わない人も増えることでしょう。今後もコミュニケーションアプリの事業者として、時代に合った新しいツールのあり方、使い方を自ら実践していきたいと思います。

 

※ACALL…来客対応を自動化するRPA(Robotic Process Automation)サービスを提供。LINE WORKSとの連携についてはこちら
※ドッグフィーディング…社員が自社製品や自社サービスを日常的に利用し、自社製品の試験運用やベータ版の改善を目的に、ユーザービリティ確認や問題点の発見を行うこと
※掲載している内容、所属や役職は取材を実施した2018年9月13日当時のものです。