株式会社セカンドファクトリー
2019-01-18
業種
士業・コンサル IT・通信 食品
目的・効果
遠隔支援 スマートフォン活用 業務自動化・Bot
主な活用機能
トーク
Bot
お話を伺った方
株式会社セカンドファクトリー 大関社長、安藤さん、千葉さんへのインタビュー
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海の家のタイムリーな経営情報共有や、消費した食材の自動発注などにLINE WORKS連携ソリューションを活用。実証実験を通じて確立した仕組みを、あらゆる産業の効率化に役立てます。

企業価値創造につながるコンサルティングやソフトウェア開発を行う株式会社セカンドファクトリー。飲食店の運営も手がける同社は、食材生産者・店舗・消費者を結ぶクラウドプラットフォームなどの構築にも力を入れています。同社は毎年、神奈川県の湘南海岸で「IT×厳選食材×快適空間」をテーマにした海の家を運営しており、2018年夏にはBIツールの「MotionBoard」とLINE WORKSを連携させ、経営情報の通知や食材の発注などを自動化する実証実験を行います。LINE WORKSの活用で経営の現場をどう変革しようとしているのか、同社の皆さんに展望をお聞きしました。

革新的なアプリケーションを提供するIT企業

事業内容と皆さんの役割をご紹介ください。

大関社長:

1998年に設立された当社は、数多くのUI開発・UXコンサルティングで培われた技術・経験を活かし、革新的なインターフェイスを持つアプリケーションをご提供してきました。近年は「食×IT」をテーマとする事業にも注力し、飲食店向けオーダリングシステムや、生産者・飲食店・消費者をつなぐクラウドプラットフォームなどを開発。UI/UX のさらなる向上を目指し、自社運営する3店舗の飲食店と海の家にさまざまなITやIoTを仕掛ける実証実験も行っています。

 

安藤さん:

私はクライアント企業様から依頼される案件の開発を行う、エンジニアチームの責任者です。それと並行して、海の家をはじめとするさまざまな社内プロジェクトでも開発に携わっています。

千葉さん:

会社の目指す方向を外部に伝え、新たなソリューション開発や事業立ち上げに際し、パートナー開拓や取りまとめが私の主な業務です。海の家に関しては、現場で店長をサポートしながら、店舗/ソリューションの運営全体を統括する立場にあります。

ベストなコミュニケーションツールとしてLINE WORKSを選択

コミュニケーションツールとしてLINE WORKSの導入に至った経緯を教えてください。

大関社長:

過去にいくつかのメッセンジャーツールを試した当社は、飲食関連の事業部門立ち上げに際してLINE WORKSを採用しました。一般のメッセンジャーツールを含むITツールの多くはビジネスユースに向けて開発され、使うためにはITスキルを身につける必要がありましたが、スマホは逆にコンシューマーベースで普及し、誰でも手軽に使えるものとして発達しました。そのスマホで同じくコンシューマ向けに浸透したコミュニケーションツールLINEの操作性をそのままに、ビジネスユースでも安心して使える機能を備えたLINE WORKSは、特別な教育をすることなく導入でき、調理や接客を担当する“非IT系”のスタッフでも容易に操作できます。

御社のソリューション製品の多くに利用されているBIツール「MotionBoard」とLINE WORKSの連携についても意識されましたか。

大関社長:

MotionBoardは、収集したデータをリアルタイムで処理するのに適しています。LINE WORKSと連携させれば、その分析データをメンバー間でスムーズに共有できるのではないかという期待がありました。

 

安藤さん:

BIツールで可視化した多様なデータは、タイムリーに活用されて初めて意味を持ちます。LINE WORKSと連携すれば最新の重要なデータがプッシュ通知されるので、これまでのようにわざわざMotionBoardのデータにアクセスする必要がなくなります。その結果として、さらに迅速で的確な経営判断がなされるようになるのではないかと思います。

経営データをLINE WORKSで共有し、スピーディな経営判断を実現

海の家の運営は、御社にとってどのような意義があるのですか。

売上データから割り出した人気商品ランキングを表示する店内のモニタ
大関社長:

ITプロダクトをつくるには、その活用現場を深く理解しなければなりません。当社が飲食事業部門を立ち上げたのはそのためで、数年前から神奈川県藤沢市の海岸に海の家「SkyDream Shonan Beach Lounge」を出店しているのもその一環です。スマホによるセルフオーダーやキャッシュレス対応など、お客様の便宜を図ると共に、経営を合理化するITやIoTの活用を積極的に推進してきました。POSシステムで収集した売上データはMotionBoardで分析し、多様な経営指標をダッシュボードにアップして社員で共有。また、売上データから割り出した人気商品ランキングを店内のデジタルサイネージに表示し、お客様の購買意欲を刺激するといった試みもしています。2018年の夏には、そのMotionBoardとLINE WORKSを連携させた新たな取り組みを行います。

それはどのような取り組みでしょうか。

安藤さん:

MotionBoardとLINE WORKSをAPI連携させ、当社の経営層に売上データを逐次自動通知する仕組みを構築中です。レジ締め処理後の売上データは速報値として通知され、リンク先のダッシュボードにアクセスすれば、より詳細な情報が見られる環境をつくります。

 

千葉さん:

現場のマネジメントサイドとしては、その日の売上目標があと何%で達成するかが通知される機能もリクエストしました。それが分かれば、閉店間際に売上に追い込みをかけることが可能になるからです。

あらゆる情報を可視化してLINE WORKSで通知し、多様な業務を効率化

ほかにLINE WORKSを活用して構築できそうな仕組みはありますか。

安藤さん:

海の家の人気メニューである唐揚げのオーダー数をMotionBoardに登録し、設定値に達すると仕入れ先である当社運営のレストラン兼ねた食品加工工場である「THE NARUTO BASE」(徳島県鳴門市)にLINE WORKSで自動的に発注が指示されるようにする予定です。

トイレの扉の施錠回数をカウントするセンサー
千葉さん:

これまで原料在庫はスタッフが目で確認し、電話やメールで「THE NARUTO BASE」に発注していました。自動発注が実現すれば目視による見落としがなくなるので、在庫不足による売上機会損失を防止できるはずです。 ほかに、店内のトイレにセンサーを取り付け、利用が一定回数に達したことをLINE WORKSで通知し、スタッフに清掃を促すようにすることも検討しています。これによって、最適なタイミングでのトイレ清掃ができるようになります。センサーで得たデータを活用すれば、トイレの空き状況を海の家のお客様にスマホでご案内することも可能です。

 

大関社長:

私たちが実現したいことの本質は、ITツールの組み合わせによる多様な業務プロセスの自動化と適正化です。その結果として、例えば定められた時間になったという理由でまだ汚れていないトイレ清掃をするなどといったさまざまな「不毛な作業」を減らせられれば、従業員の負担が軽減して仕事へのモチベーションが高まります。海の家での実証結果を経て確立された仕組みは、自社の他の店舗や当社のお客様である企業にもソリューションとして提供します。そのことを通じて、多様な産業の生産性や働き手のQOL向上に貢献したいと考えています。

“サービステックプラットフォーム”の可能性をさらに追及する

今後の事業展開についてお聞かせください。

大関社長:

当社は、見た目の問題などから通常の流通ルートに乗せられない良質な農産物を仕入れて「THE NARUTO BASE」で加工し、レストランや通販事業などを通じて広くご提供しています。その生産情報はこれまでLINEで発信してもらっていましたが、今後は生産農家にもLINE WORKSのアカウントを取得してもらい、当社の飲食事業部門とのより密な連携を図るつもりです。

LINE WORKSを活用したIT化やIoT化は、まだまだ大きな可能性を秘めていそうですね。

大関社長:

当社はさまざまなアプリケーションを開発していますが、ユーザー様はITの専門知識を持たないケースが少なくありません。BIツールなどの内部のメカニズムは複雑だとしても、そこから得られた情報をユーザー様がやりとりするコミュニケーションツールは、極力シンプルなものであるべきです。だから私は、ITスキルが高くない人でも簡単に使えるLINE WORKSこそ、情報の入口と出口に使われるツールとしてベストだと考えています。今後も“フードテック”や“アグリテック”の促進を軸としつつ、人が行わなくても済む作業を省くためのソリューションを、さまざまな産業分野に向けて提供していくつもりです。当社はそのような仕組みを“サービステックプラットフォーム”と呼んでおり、その推進にはLINE WORKSの活用を欠くことができません。

 

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2018年7月のものです。