株式会社インターメスティック
2019-01-17
業種
小売・卸売
目的・効果
支店・店舗との連絡 BCP・安否確認 導入のしやすさ
主な活用機能
トーク
アドレス帳
お話を伺った方
株式会社インターメスティック IT戦略推進部 部長 一ノ瀬光裕さんのご講演
ホームページ 事例ダウンロード

メガネブランド「Zoff」180店舗、本部の全社員・アルバイトスタッフにLINE WORKSを全面導入。「問い合わせゼロ」で導入が進み、コミュニケーションやノウハウ共有もより活発に。

全国にメガネブランドの「Zoff」180店舗を展開する株式会社 インターメスティック様。近年は中国などアジアにも積極進出しています。LINE WORKSを活用した「働き方改革」について、IT戦略推進部 部長 一ノ瀬様に第4回ワークスタイル変革EXPO(2017年7月開催)にてご講演いただきました。

Zoffについて

メガネブランド「Zoff」は“お客様に真心をもって接し、メガネを通じて社会に貢献します”という経営理念のもとに、デザインから製造・販売まで全て自社で行い、質の良い「製品」「接客」を目指し提供しています。店舗は国内に約180店舗、従業員は約1,800名おります。海外は現在、中国・シンガポールに拠点があり、中国は上海を中心に20店舗弱、シンガポールは2017年4月に初出店しました。まもなく香港での出店も予定しております。

 

創業から15年、デザインから製造までを一貫して自社で手がける製造小売SPAモデルにより、リーズナブルで丈夫な製品を提供し続けています。我々の行動指針・キーワードとしては、「Japan Quality 日本のものづくり技術を大切に」「Always Fresh 月2回、新商品が登場」「Fast Service 最短30分でお渡し可能」をポリシーに、「適正価格」を実現しています。

メガネブランド「Zoff」が抱えていた「働き方」の3つの課題

グローバルを含めて200店舗以上、1800名超もの従業員がいる中で、働き方の課題が3つ出てきました。1つ目は、安否確認を含めた本部、店舗間・個人間での連絡が行き届かないという問題です。アルバイトスタッフを含めて1,800名超への連絡手段や、接客などのノウハウを共有する手段、コミュニケーションに課題がありました。LINE WORKS導入以前は個人のLINEを使用して連絡することが多々あり、シャドーITの問題もありました。

 

2つ目は店舗の電話回線が社内連絡で占有されてしまうことにありました。電話は1店舗につき1回線のみなので、本部からの連絡など社内でやりとりをしていると、回線が埋まってしまいます。社内の通話中で、お客様からの電話が取れないというのは、本意ではありません。よって、本部とのコミュニケーションは別のチャネルで行い、電話はお客様からのご連絡のみに空けておきたいと考えていました。

 

3つ目は「電話以上 メール未満」のコミュニケーションの必要性。つまり電話ほど緊急ではない、密にメールのやりとりをする状況でもない、そういったコミュニケーションを行うのにちょうど良い方法がなかったということです。今後もグローバルに進出していくにあたり、このコミュニケーションをどのように実現していくかが課題となっていました。例えば、メガネの並べ方にも戦略があるのですが、全店舗で標準化されているかどうか確認したい場合に、LINE WORKSであれば商品が並んでいる状態を写真に撮って報告してもらうことが簡単にできるのでは、と思っていました。

これらの課題があったなかで、何がトリガーになったのかを、次にお話ししていきます。

熊本地震をきっかけに、安否確認手段の整備が加速

きっかけの一つになったのは2016年4月に発生した熊本地震でした。アルバイトスタッフを含めた安否確認が急務になり、個人間の連絡をきちんと行える仕組みの検討が加速しました。検討の中では、他社の製品も含め様々な比較検討・実機検証のうえ、LINE WORKSに決定しました。

 

選定理由の1つ目は、チャットと通話が一体型で、かつスマホベースであること。当たり前のように思われるのですが、PCだけでなくスマホでもスムーズに使えるツールが案外無かったのです。2つ目は、これもビジネスツールとして当たり前ではあるのですが、アカウントの一括管理が可能であり、スマホへの通知機能があること。通知数まで分かりやすく表示されるツールは、ありそうで、なかなかありませんでした。3つ目はとにかく「LINEだから」簡単に素早く展開できる、ということです。この点は導入を進めるにあたり、何より「説得力」がありました。

熊本地震がきっかけとなり、安否確認とともに、働き方における課題の解決手段として店舗にかかわるコミュニケーション基盤の強化を進めることになりました。社内公式のツールが無かったため、個人に連絡するためにプライベートのLINEを使うなど、いわゆるシャドーITの状態になっていたのです。さらに、携帯電話番号や個人のLINE IDの共有に躊躇してしまうというプライバシーの問題も出てきました。番号をこちらから聞くのもはばかられますし、自発的に共有してもらうのも難しい。となると、連絡を取る方法がなくなってしまう。些細な連絡であっても、180店舗の規模で考えると、コミュニケーションロスは重大な損失になりかねません。会社として公式な仕組みを作り、ロスをなくしていこうということも導入理由の1つです。

アルバイトを含む1,800名超のスタッフへの導入もノートラブルで「問い合わせゼロ」

LINE WORKSの導入にあたり、アカウントを本部、全店舗の全従業員へ付与しました。海外のスタッフやアルバイトスタッフも、一部含んでいますので、アカウント数は全従業員数=1,800を超えます。安否確認が第一の目的ですので、店舗スタッフにおいては、BYOD(私物端末の業務利用)で運用しています。また、各店舗に置いている会社支給のスマホ1台にもアカウントを付与しています。

 

トライアルを経て1ヶ月で本部に一斉導入、3ヶ月で国内の全店舗・全従業員への一斉導入が完了しました。ほとんどノートラブルで想定以上にすんなり導入、浸透しています。使い方もほぼLINEと同じということで、導入にあたり改めて説明会を設けたりマニュアルを用意したりする必要もほとんどなく、問い合わせもゼロでした。他のツールではこのようにはいかなかったと思うので、その点は改めて良かったと実感しています。

シンプルで使い慣れるまでの時間が短く、ノウハウ共有もスムーズに

アドレス帳の組織構成(左)とトークのやりとり例(右)

具体的な活用例がこちらになります。アドレス帳では組織図に沿った構成を表示できますので、グローバルも含めた組織図をそのまま再現しており、これらは、本社の管理部門が一括して適宜アップデートしたものが自動反映されます。課やチームなどの小さな分類でグループトークがすぐにできるのは便利ですね。新しい方が入社しても、どの組織にいるかすぐに分かりますし、お互い躊躇しながら連絡先を個別に交換するというステップも必要ありません。スマートフォンの通知で素早く状況把握もできます。
右はやりとりの例になります。LINEそのものですね。チャットで話をしていて、急ぎの用事のためにそのまま通話をしました。内容としては、ごく日常的なものです。この一見当たり前のようなこのコミュニケーションが、ツールによってはなかなか実現できなかったのです。
シンプルで使い慣れるまでの時間が短く、店舗におけるノウハウ共有もスムーズに進むようになりました。例えばディスプレイを写真に撮ってトークで共有するなどが簡単にできます。「”使い方が分からない”という状態がない」ことが非常に大きいと思います。

今後はAIなど新しい技術との組み合わせに期待

完成度の高いLINEのビジネス版ということで、伸びしろがあると期待を寄せています。
Active Directoryとの簡単連携があると企業の管理負荷を減らせると思います。また「LINE」ならではのユーザーインターフェースや機能の使い勝手の良さはそのままに、AIなどの新しい技術と組み合わせた、既存の企業内システムとの連携の可能性に期待したいですね。
例えばチャットボットを使ってサポート業務やヘルプデスクの負荷軽減も可能ではないかと思います。最後にグローバル展開の促進ということで、海外進出に寄り添ったグローバルレベルでのサポート・整備の提供があれば、より有難いと思っております。

 

 

※掲載している内容、所属やお役職は講演当時のものです。