医療法人社団清心会 至聖病院
業種
医療・福祉・介護
目的・効果
従業員間の連絡 コンプライアンス・セキュリティ ノウハウ共有 予定の見える化 業務の見える化 導入のしやすさ 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
掲示板
カレンダー
お話を伺った方
院長 医学博士 中島 秀人さん
事務管理部 次長 兼 情報管理課 課長 大橋 功さん
事務管理部 医務課 医務課長代理 藤川 かす美さん
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コロナ禍での感染防止対策やワクチン接種の予約状況をLINE WORKSで全職員が共有。正しい情報を院内で速やかに共有し、混乱のない的確な対応が実現しました。

埼玉県狭山市の医療法人社団清心会 至聖病院は、コロナ禍での発熱外来設置やワクチン接種に先立ってLINE WORKSを導入。ウイルスに関する正しい情報や、感染防止対策、発熱患者さんへの適切な接し方などを全職員が共有することで、院内感染を起こすことなく多数の発熱外来に対応しています。また、ワクチン接種に際しては1日60件ほどの日程をカレンダーに登録することで合理的な管理を実践。同院の皆さんに、LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお話しいただきました。

 

本事例のポイント
  • 院内の情報共有の環境をLINE WORKSで整備
  • 目的に沿った情報発信を継続して浸透を促進
  • 感染防止対策の最新情報を全職員に周知し、院内感染0を維持
  • 情報共有による安全性の高い動線確保は、感染症対策の権威からも好評

至聖病院の概要をご紹介ください。

中島院長 :

1985年に開設された当院は地域に根差した医療を提供し、二次救急指定医療機関にも指定されています。内科・外科・消化器科・整形外科・小児科・皮膚科・循環器科・糖尿病外来・乳腺外科・禁煙外来・脳神経外科・リハビリテーション科の一般診療に加え、人間ドック、生活習慣病等の各種健診、企業健診・産業医、学校医活動などの予防医療にも力を入れています。

 

院内の情報共有において、以前はどのような課題を抱えていましたか。

大橋さん :

一般企業と違い、病院では職員一人一人がPCやタブレット端末を持っているわけではありません。職員どうしが意思疎通をするためのツールはなく、業務に関する情報をスピーディに共有することが困難でした。

 

 

藤川さん :

他部署への伝達は主に内線電話で行っており、急用を伝えたい担当者が離席しているときは、院内を捜し回ることが当たり前でした。1人の患者さんには医師や看護部、パラメディカル、医務課など複数の部署が関わります。カルテは電子化されていますが、カルテに記載されない事柄で患者さんに関わる連絡事項や共有すべき情報はあります。患者さんにスムーズに対応するためにも、業務を円滑にするためにも、部署間での連絡を取りやすくする必要があるのではないかと感じていました。

 

 

大橋さん :

コミュニケーションツールの導入を検討していたところ、当院は発熱外来を設けるとともに、コロナ対応病院としてコロナ患者さんを受け入れることになりました。院内感染を防ぐためには、各部署が重要な情報をタイムリーに共有して、最新の情報を把握しながら連携することが欠かせません。病院が講じる感染対策に埼玉県が補助金を支給することになり、コロナ対応の一環としての院内コミュニケーション環境の整備も支給対象になったので、感染防止のためのパーティションや来院された患者さん用の検温器などとともに、職員が連絡をし合うためのチャットツールを導入することを決めました。

LINE WORKSに注目された理由と、運用開始までの経緯をお聞かせください。

大橋さん :

複数のサービスを検討し、LINEに操作性が近いLINE WORKSに注目しました。幅広い年齢層の職員がプライベートの連絡ツールとしてLINEを利用していたので、特別な導入教育を施さずに定着することが期待されました。フリープランを導入し、まず私ども情報管理課が使い勝手のよさを確認したうえで、常勤の医師のほか各部署に1アカウントずつ付与。職員は基本的に業務中に所属部署を離れることがないので、部署内に複数台あるPCやタブレット端末を共用するかたちで運用を開始しました。

 

運用に関しては、各部署に簡単な研修を行いました。その際、LINE WORKSを簡便に使ってもらえるようなルールもいくつか作りました。例えば、「LINE WORKSは都合の良いときに見て良い」「了解ですは、不要」「メンション(@)に「さん」をつけない」「PCで使ってもいいし、手書きメモをタブレットで写真にして送っても良い」などです。

医療従事者にはITリテラシーが高くない方が多く、敷居が高い・面倒などと感じるようになると、使うことすらしてくれません。どうしたら使ってくれるかを考えながら、また、LINE WORKSを導入する目的も明確に伝え続けることで利用を促しました。

LINE WORKSの具体的な活用シーンをお聞かせください。

【トーク】新型コロナウイルスに関する正しい最新情報を集約して職員に発信
【ノート】運用が確定する前の仮対応方法を共有、現場の意見を収集しブラッシュアップ
【掲示板】確定した院内の感染防止対策やワクチン接種対応のマニュアルを写真や動画で共有
【カレンダー】ワクチン接種の予約日を登録して変更・キャンセルを柔軟に管理

 

大橋さん :

LINE WORKSを導入した2021年2月当時はまだ、新型コロナウイルスに関する多くの不確かな情報が飛び交っていました。職員が根拠のない情報に惑わされることのないよう、院内に設けたコロナ対応事務局がコロナに関する確実で最新の情報を把握し、医師の知見を通した上でわかりやすくまとめ全部署にトークで発信。まずはその情報をキャッチしてもらうことを通じてLINE WORKSの操作に慣れてもらいました。

 

コロナに関する信頼できる最新情報をコロナ対応事務局が発信

 

次のステップでは、病院のエントランスに設置した検温器で発熱があると認められた外来の患者さんを他の患者さんと交わることなく専用の待合室や検査室に誘導する動線や、熱のある患者さんへの接し方、感染防止のノウハウなどをノートに投稿。手順の動画や画像も添えることで、全職員に正しい理解を促しました。ノートを見た職員から意見が出たり、よりよい方法を提案されたりするのを受けて、内容を少しずつブラッシュアップ。最終的にルールや見解が確定したと判断された項目については掲示板に掲載するという流れが出来上がりました。

グループのノートを活用して対応方法を周知し、よりよい対応に向けて意見などが活発に交わされた
外来患者さんへの対応の仕方をフローチャートにして周知。運用が確定したルールを掲示板に投稿する

また、熱のある方やコロナ患者さんが検査等のために院内を移動する場合に、その経路を事前にLINE WORKSで全部署に通知するといった連絡体制も整備。感染症対策の専門家である国際医療福祉大学大学院の坂木 晴世准教授が当院を視察された際、「動線確保のための院内関連部署へのリアルタイムな情報共有は効果的な対策である」として高く評価していただきました。

 

当院は医療従事者にワクチン接種をする医療機関にも指定され、後に一般のご高齢者や地域の企業にお勤めの方への接種もすることになりました。1日60件ほどの接種の予定は市の予約管理サイトに掲載されましたが、担当者の確認のしやすさや急な予約の変更等に柔軟に対応したいことからLINE WORKSのカレンダーに登録して管理しました。また、接種会場の設営方法や、院内の動線確保のやり方など、ワクチン接種に関する情報共有にノートや掲示板を活用しています。

ワクチン接種時の手順などもノートや掲示板で共有

院内の情報共有にLINE WORKSを導入したことによる効果はいかがですか?

藤川さん :

どの職員も感染の流行期に混乱することなく落ち着いて業務を遂行できたのは、ウイルスに関する信頼性の高い最新の情報がコロナ対応事務局から継続して発信されたからだと思います。また、発熱患者さんやワクチン接種に来られた方への接し方が統一されたことで、全職員が一貫した対応を取ることができました。

 

中島院長 :

当院の発熱外来には多い日で50名ほどの方が来られ、これまで3,000名以上のPCR検査を行い、コロナに感染した患者さんを受け入れての治療もしています。しかし院内感染が1件も発生していないのは、LINE WORKSによって感染防止策が全職員にしっかり周知されたおかげだと思っています。

コロナ対応以外ではLINE WORKSをどのように活用されていますか。

・複数人への伝言を速やかにし、言い間違い聞き間違いを防止
・受電したメモの紙をそのまま写真に撮って簡便に関係者へ共有
・複数ある委員会の議事録を共有し、監査にも役立てる

 

藤川さん :

通常の業務連絡の手段として定着しつつあります。複数の部署に瞬時に情報を発信でき、伝達事項がテキストとして保存されるので、内線電話や対面で連絡していたときのような言い間違いや聞き間違いが起きなくなりました

 

私の所属する医務課は総合受付の役割も担っており、発熱のある患者さんにはご来院前に電話で症状を伝えていただいていますが、そうした情報も関係部署にスムーズに伝えられるようになりました。急ぐ場合は、患者さんが電話で話された内容を書き取ったメモの写真を送信するといった伝え方もできるのが非常に便利です。

 

大橋さん :

病院には医療安全委員会や感染対策委員会など、設置が法律で義務づけられている複数の委員会があり、各委員会の議事録をグループトークルームにアップして全職員がいつでも閲覧できる状態にしています。議事録が投稿された記録は、外部機関による監査を受けた際に、当院の委員会が確かに活動していることを証明する手だてともなります。

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。

大橋さん :

LINE WORKSを病院で有効活用できたことから、当院の系列の老人保健施設でも、導入に向けて現在試用をしているところです。本格的な運用開始後は、病院と老健がLINE WORKSの外部トークで連携していき、活用レベルを高めていくことが期待されます。

 

中島院長 :

コロナ対応に際しては、確かな情報を全職員が迅速に共有することの重要性を痛感させられました。この貴重な経験を、地域包括ケア促進のための情報連携にも活かせればと考えています。

 

 

【お話を伺った方】
中島 秀人さん

国内各地の自衛隊病院で整形外科領域の治療に従事。2005年より医療法人社団清心会 至聖病院に勤務し、2018年に院長に就任。

 

大橋 功さん

事務管理部 次長と情報管理課 課長を兼務し、医療法に準じた申請手続き・施設基準管理、院内の情報管理などに携わる。

 

藤川 かす美さん

事務管理部 医務課の医務課長代理として、医療事務全般を管理する。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年12月当時のものです。