株式会社シンメー
2022-03-16
業種
医療・福祉・介護
目的・効果
従業員間の連絡 LINEとの連絡 導入のしやすさ 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
グループ
掲示板
アンケート
お話を伺った方
代表取締役 塩﨑 友也さん  
訪問介護事業所 蔵 管理者・サービス提供責任者 内山 優奈さん
  放課後等デイサービス 保育士 石黒 慧さん
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口頭や紙の伝達をLINE WORKSでデジタル化。福祉サービスのスタッフが利用者の状況を迅速・確実に把握でき、業務の効率とサービスの質が向上しました。

愛知県豊川市を本拠地として多彩な福祉事業を展開する株式会社シンメーは、質の高いサービス提供には利用者に関する情報をスタッフが確実に共有することが欠かせないと、紙や口頭で情報を伝達する文化からの脱却を図るべくLINE WORKSを導入。グループトークルームや掲示板を活用して、利用者に関する個々の情報をスタッフが確実に把握するといった取り組みによって、業務の品質と効率の双方が向上しました。

 

本事例のポイント
  • 書類と口頭による申し送りをトークに置き換え、情報伝達の速度と確実性をアップ
  • 訪問介護の利用者一人ひとりの掲示板を設け、「支援内容の報告」を共有
  • 放課後等デイサービスでLINE WORKSで保護者のLINEとつながり、タイムリーに連絡を取り合う
  • 特定事業所加算取得の算定要件を満たすための手段としても活用

御社の事業内容をご紹介ください。

塩﨑さん :

当社は愛知県豊川市を本拠地として、住宅型有料型老人ホーム、日常生活支援型デイサービス、機能訓練特化型デイサービス、訪問介護事業所、福祉用具貸与/販売・住宅改修、ケアプランセンター、メディカル事業部、保険外サービス、クリエイティブ事業部、児童発達支援・放課後等デイサービス、企業主導型保育などの事業を展開。赤ちゃんからお年寄りまでが住み慣れた地域で穏やかに暮らせるよう、多様な福祉サービスをワンストップで提供しています。

 

これまでどのような課題に直面していましたか。

塩﨑さん :

当社では135名のスタッフが働いており、その多くをパートタイマーが占めます。パートタイムのスタッフは、各サービスを利用するお年寄りやお子さまの様子を、フルタイムで働く人と同じように把握することはできません。これまで、利用者に関する情報は主に口頭か紙の連絡帳で共有されていました が、それでは「言った/言わない」のトラブルが発生しがちですし、会社に行かなければ情報を把握でき ない点も不便でした。福祉の分野には紙で情報を伝える文化が根強く残っていますが、スタッフがどこにいても瞬時に他のスタッフとスピーディに情報を伝え合う仕組みがあれば業務効率が格段に高まるはずだと考え、コミュニケーションツールの導入を検討しました。

課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由を教えてください。

塩﨑さん :

スタッフの年齢層が幅広いので、とにかく使いやすいツールをという視点でリサーチし、LINE WORKSの存在を知りました。大半のスタッフが個人的に利用しているLINEに操作性が近いことに加え、法人向けにセキュリティ面でも安心できる点に魅力を感じました。グループトークルームを臨機応変に開設できたり、掲示板でストックしておきたい周知事項をカテゴリー分けで構築できたりするのも、多数の事業やサービスを展開している当社に適していると思いました。また、運用コストが比較的リーズナブルで、将来の事業拡張に伴って利用するスタッフの数が増えてもそれほど大きな負担にはならないと感じられたこともあって導入を決定しました。全スタッフにアカウントを付与し、2019年5月にすべての事業領域で運用を開始しました。

 

LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。

【トーク】紙文書や口頭での連絡を置き換えて迅速で確実な伝達が実現
【掲示板】利用者一人一人のスレッドを立て、関係するスタッフが状況を共有

 

塩﨑さん :

組織図に基づく部門別のグループに加え、介護・障がい・保育に関わる役職者、新規プロジェクトに参画するスタッフなどさまざまなグループを作って、メンバー間で密に情報を共有するようになりました。以前は事務所に来てから、申し送りを受けたり連絡帳を読んだりして伝わる情報が、今ではトークで伝達されています。例えば、利用者が発熱したといった重要な情報を速やかに 把握してから、その日の業務に臨めます。既読にならないスタッフには、個別に連絡をすることもできるので、メンバー全員に確実に周知できるようになりました。

 

伝達手段が文書・口頭から掲示板やトークに移行し、業務情報を確実に周知

 

また、以前は紙にプリントした勤務シフト表を各事業所で配付していましたが、LINE WORKS導入後は、クラウド上に保存したシフト表ファイルのリンク先をトークで送信。スタッフがいつでもシフトを確認でき、印刷して手渡す手間もなくなりました。

 

他のスタッフに電話やメールで伝えるほどではないちょっとした連絡も、トークなら抵抗感も少なく、どの事業所も以前と比べてコミュニケーションが活性化。スタンプを器用に使いこなし、さらりと気持ちを伝え合うスタッフも多く、会社全体の雰囲気が明るくなったようにも感じます。

 

内山さん :

訪問介護では、1人の利用者の支援に複数のスタッフが関わります。これまで、それぞれのスタッフは訪問先か事業所に置かれた紙ベースの「支援報告」を通じて、利用者の近況を個々に把握・共有していました。LINE WORKS導入後は、掲示板に利用者別のスレッドを作成。訪問したスタッフがサービスの提供後、直ちにその日の介護内容を「支援報告」として掲示板にアップするなど、他のスタッフとスピーディに共有できる仕組みになりました。写真も添付できるので利用者の様子が詳しく伝わりますし、日々蓄積されていくので、それぞれの利用者によりよい介護サービスを提供するための貴重な知見としても活用できます。

事業所ごとに掲示板を運用。訪問介護事業所では利用者別のスレッドを立て
提供した介護内容などをスタッフが共有している

 

以前は利用者に関して特筆すべき事柄があると、スタッフが事業所に戻って責任者に伝えていましたが、そうした報告もトークで行えるので、訪問介護終了後の直帰がしやすくなりました。また、訪問介護に出たスタッフに連絡したいことがあっても、支援中に電話をかけるのははばかられるため、迅速な情報の伝達・共有できないことが多かったのですが、トークなら業務を妨げることなく確実にメッセージを送っておくことができます。

 

福祉の仕事に従事して約15年になる私は、スタッフ間の情報伝達は紙で行われるのが当たり前だと思っていました。しかし、LINE WORKSを使うようになって最先端のツールの利便性を知った今となっては、「もう紙には戻れない」ということを強く感じています。

 

保護者や取引先のLINEとつながってコミュニケーションを図っていますね。

石黒さん :

2019年4月に新規オープンした放課後等デイサービスでは、児童の保護者とスタッフが毎日頻繁に交わすさまざまな連絡をスムーズに行うため、スタッフのLINE WORKSと保護者のLINEを外部トーク連携でつないで、利用者ごとのグループトークルームを開設しています。保護者からはお子さまの朝の体温などを報告していただき、スタッフからはお預かりしたお子さまの様子を写真とともに報告しています。保護者は比較的若い世代なので、メールより気軽にやり取りできるLINEでの連絡を歓迎される方が多く、お子さまがその日どんな過ごした方をしたのか写真で確認できる点が特に喜ばれています。

 

外部トーク連携で保護者のLINEとつながり、日々の連絡を円滑に行っている

 

保護者との間だけではなくスタッフどうしの連絡も非常にスムーズで、全社共通で行う季節のイベントの打ち合わせの日程確認など、普段はあまり交流のない別の事業所のスタッフにもアドレス帳から手軽にメッセージを送れるのも便利です。また、他のスタッフに口頭で伝えたいときがあるときは、無料通話もよく使っています。

 

 

また、入園前のご相談などをLINEから気軽にお問い合わせいだけるように、ウェブサイト上には当社のLINE WORKSのアカウントとお友達登録していただけるリンクを設置しています。

問い合わせ方法に「LINE」を追加。タップするとスタッフのLINE WORKSとLINEでコンタクトがとれるようになる。
入園前のお悩みなどを気軽にお問い合わせいただけるようになった

 

塩﨑さん :

私どもには外部の取引先が多数ありますが、あいさつ文が必要なメールのやり取りは出来る限り早く返答したいので、協力会社の方と連絡することの多い私や一部の社員の名刺にLINE WORKSのQRコードを印刷。外部トーク連携でLINEとやり取りできる相手を増やすことによって、業務の効率化を図っています。

ほかにLINE WORKSを導入されてよかったと思われることがあればお聞かせください。

【アンケート】会議やイベントの出欠確認が容易に
【介護報酬改定】特定事業所加算取得の算定要件を満たす手段としても活用

 

塩﨑さん :

以前は紙文書やメールなどで行っていた会議やイベントなどへの出欠確認が、アンケート機能を使って簡単にできるようになったことも、業務の省力化に貢献してくれています。

 

社内イベントの出欠確認などにアンケートを活用 配布、回収、集計の手間がなくなる

 

また、最近の介護報酬制度の改訂で、サービス提供責任者が訪問介護員等に対して文書等による指示を行い、サービス提供終了後に担当する訪問介護員等から適宜報告を受けることによって、特定事業所加算が取得できるようになりました。それに際し、スタッフにLINE WORKSで通知した資料情報が既読になっていることを根拠として、算定要件を満たすことができました

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。

塩﨑さん :

LINE WORKSを運用するようになったことで、各事業所のスタッフの情報伝達の仕方は大きな変貌を遂げましたが、一部の業務でまだ紙書類や口頭によるやり取りが見られるので、業務のデジタル化を徹底していきたいです。タスク機能など、まだ活用の進んでいない便利な機能も有効に使いたいと思います。

 

事業所によっては勤怠管理システムや請求システムを運用しているので、将来的にはそうしたシステムとLINE WORKSをAPI連携させることで、さらなる業務効率化を図ることも検討しています。

 

 

【お話を伺った方】
塩﨑 友也さん

メカトロニクス専門商社勤務を経て社会福祉士、介護福祉士等の資格を取得。2018年に株式会社シンメー代表取締役に就任。

 

内山 優奈さん

サービス提供責任者として訪問介護事業所 蔵の業務を管理している。

 

石黒 慧さん

保育士として放課後等デイサービスで児童の療育に携わる。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年10月当時のものです。