愛媛県庁
2020-05-18
業種
医療・福祉・介護 行政
目的・効果
遠隔支援 導入のしやすさ
主な活用機能
トーク
お話を伺った方
愛媛県 保健福祉部医療対策課
主事 薦田 有理 様
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新型コロナウイルス感染者へのオンライン診療に、LINE WORKSのビデオ通話機能を活用。患者さんと医師のプライバシーが守れること、LINEと同様の使用感が導入の決め手になりました。

令和2年4月上旬、厚生労働省より新型コロナウイルス感染症の軽症者等について、民間の宿泊施設等での宿泊療養を実施する旨の方針が発表されました。愛媛県においても宿泊施設において感染症対策のひとつとして、LINE WORKSのビデオ通話機能を使ったオンラインによる健康状態の確認を開始しました。医療現場での活用について、詳しいお話を愛媛県保健福祉部医療対策課主事の薦田有理様に伺いました。

ご自身の担当部署とその役割について教えてください。

薦田さん :

私は愛媛県県庁の医療対策課に所属していますが、現在は新型コロナウイルス対策のために結成された新型コロナウイルス感染症対策支援班宿泊調整担当(以下、宿泊調整担当)の係員として従事しています。愛媛県ではPCR検査を受けて陽性と診断された方の中でも、基礎疾患がなく、軽症の患者さんを対象に、医師の判断により宿泊施設へ入所していただくよう手配しています。施設内でも患者さんが適切な診療を受けられるように、医師・看護師と連携して、個室の準備や備品の調達、患者さんの入所・退所スケジュールなどの管理をしています。

令和2年4月末現在、入所されている患者さんは1名(運用開始からの累計では4名)です。私たち宿泊調整担当は5名で医師1名と看護師2名と連携して施設の運営にあたっています。
宿泊施設には現在67部屋の個室があります。

LINE WORKS導入以前に課題となっていたのはどのような点ですか。

薦田さん :

患者さんが安心して診療を受けられることと医療従事者の安全を第一に、オンラインでの健康状態の確認が可能なビデオ通話機能が利用できる診療ツールを探していました。1日3回実施するので、患者さん、医療従事者の双方が使いやすいものでないとストレスに繋がってしまいます。日々状況が刻々と変化している医療現場で、使いはじめや使い慣れるまでに手間がかかるツールは避けたいと考えていました。

LINEでもビデオ通話はありますが、患者さんがプライベートで使っているLINEのIDを教えてもらうことは、患者さん自身が抵抗を感じたり、退所後にも友だちに残ってしまったりといったプライバシーへの配慮やアカウントを管理できないという点に問題が残りました。

LINE WORKSを導入した経緯や決め手を教えてください。

薦田さん :

使いやすさとプライバシーの保護、両方を叶えられるツールをWeb上で探していたところ、偶然LINE WORKSのテレワーク導入相談窓口・期間限定オープンの広告が目に留まりました。LINE WORKSはLINEと使い方が同じでどなたでも馴染みやすいという点と、LINE WORKSのサポート担当者がメンバー登録、インストールなどをサポートしてくれるという点が導入の大きな決め手となりました。
今回は緊急時であり、自分たちで調べたり設定したりする時間が惜しかったので、導入のサポートを受けられたことは大変ありがたかったです。実際に、私たちがLINE WORKSをタブレットPCにインストールしてログインしたときには、すぐにチームでチャットができる状態でした。

さらにLINE WORKSメンバー登録には患者さんの個人情報は不要なので、安心してご案内できます。管理者がアドレス帳の閲覧制限を設定することで、患者さんどうしが個人的にコンタクトをとることを防ぎ、プライバシーを守れることも大きな利点でした。

LINE WORKSを患者さんに配布したときの流れを教えてください。

薦田さん :

最初にLINE WORKS導入窓口担当の方が、事前にこちらからお伝えしていた宿泊調整担当と医療従事者のメンバーを登録し、ログインIDを払い出してくれました。それから私のほうで、宿泊施設の部屋数だけ患者さんのIDを作成しました。現在、患者さん用には70IDほど用意しています。アドレス帳に表示される名前を、最初はこちらで取り決めたアルファベットと数字だけで登録することで個人情報を守ります。宿泊施設へ入所し、LINE WORKSへのログインが確認できた後、患者さんの実名に変更し、診療にあたります。これにより医師による通話のかけ間違いを防げます。

患者さんには、あらかじめ部屋に配布してあるLINE WORKSインストールマニュアルとログイン情報を確認いただき、ご本人のスマホにアプリをインストールしていただきます。スマホをお持ちでない方には、タブレットを準備しています。若年層の患者さんは、マニュアル資料だけでLINE WORKSにログインできました。

宿泊療養施設入居者が登録されたアドレス帳(医療従事者のアカウントから見た場合)。
医師等は全メンバーを閲覧でき、入居者は他のメンバーが閲覧できない。
入居したメンバーから表記名を本名に修正している。*氏名、部屋番号は仮称

LINE WORKS の具体的な活用についてお聞かせください。

オンラインでの健康状態の確認はビデオ通話機能を活用
薦田さん :

主にLINE WORKSで利用しているのは医師・看護師と患者間のビデオ通話機能によるオンラインによる健康状態の確認です。厚生労働省のマニュアルに準拠し、患者さんに問診しています。体温と酸素飽和度、呼吸困難があるかどうか、咳はあるかどうか、倦怠感があるかないか、味覚や嗅覚の障害はないかなどです。医師が1回、看護師が2回、常に一対一でお顔を見ながら通話しています。
患者さんは個室から出られず不安な中、お過ごしです。そうした日々の中で、お顔を見てコミュニケーションを取ることで精神面のケアができることは良い点ですね。

宿泊調整担当の職員どうしはトーク機能を活用しています。医療機器などの物資の調達や患者さんの入所・退所スケジュールの共有、PCR検査で得た検体を保健所へ提出するといった事務連絡に使っています。こういった連絡は即時性を重視しているので、すぐに全員への確認と返信ができるトーク機能はとても便利です。

最後に一言、メッセージをお願いします。

薦田さん :

LINE WORKSのメリットはやはりLINEと同じ使用感ですぐに慣れることができる点にあると思います。オンライン診療を検討されている医療従事者の皆様へ、LINE WORKSは患者さんや医師が安心して使えるということをおすすめしたいです。
患者さんが快適に過ごし、いち早く快方に向かえるよう、今後も医療従事者と連携してサポートをしていきたいです。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2020年4月当時のものです。

 

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