明治安田生命保険相互会社
2019-06-11
業種
金融・保険
目的・効果
従業員間の連絡 非対面接客・営業 コンプライアンス・セキュリティ スマートフォン活用 業務自動化・Bot ノウハウ共有 LINEとの連絡 会議・朝礼
主な活用機能
トーク
グループ
Bot
お話を伺った方
明治安田生命保険相互会社 企画部 デジタルイノベーション開発室 兼 情報システム部 ITアーキテクト
湯浅 慎司さん(左) 東京第一マーケット開発部
東京第一マーケット統括室 東京第一マーケット開発室 グループリーダー
畠 なつみさん(中) 営業企画部
デジタルマーケティング開発グループ 主席スタッフ 山田 恵司さん(右)
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保険商品を提案する営業職員がLINE WORKSでお客様のLINEと連携。即時性の高いコミュニケーションが可能になり、会社・営業職員間のスピーディな情報共有にも役立っています。

明治安田生命は、お客様との連絡をスムーズにするためのツールとしてLINE WORKSを導入。約1,000人が試行し、保険商品の提案活動等をより活発にする効果が認められたことから、今秋、全社約3万人の営業職員(MYライフプランアドバイザー、以下「アドバイザー」)に利用を拡大する予定です。本社や支社、営業所からアドバイザーへの業務連絡や、Botによる通達なども行われ、社内のコミュニケーション環境も大きく向上しています。

皆さんの業務内容をご紹介ください。

湯浅さん :

情報システム部のシステム開発推進室でLINE WORKSの導入に携わり、2019年4月に企画部 デジタルイノベーション開発室に異動しました。同開発室は、最新のAIやICT、データ分析手法などを調査・研究する部門です。

 

畠さん :

東京第一マーケット開発室に所属し、担当するお客様へのアフターフォローや保険商品をご提案する営業活動を行っています。また、グループリーダーとして、グループのマネジメントやメンバーの指導・育成も行っています。

LINE WORKSの導入に至った経緯を教えてください。

湯浅さん :

これまでアドバイザーがお客様と連絡する手段は電話かメールでしたが、最近はLINEでの連絡を要望されるお客様が増えています。それに対応するため、また業務の利便性を高めるため、アドバイザーにスマホを社給することを検討し始めたタイミングで、LINEと外部連携できるLINE WORKSがリリースされたのを知りました。
お客様のLINEとセキュアにつながる唯一のコミュニケーションツールであることから、スマホと同時に導入することを決めました。将来的に全社のアドバイザーにLINE WORKSを利用してもらうことを前提に、まずは東京マーケット開発部、千住支社と熊本マーケット開発室の約1,000名のアドバイザーで試行を開始しました。その後つくば支社でも導入し、現在は約1,500人のアドバイザーが業務に用いています。

LINE WORKSの導入を、営業現場の皆さんはどのように受け止められましたか。

畠さん :

以前は、LINEによるお客様とのやり取りには私用のスマホを使っていたので、LINE WORKSがインストールされた社用スマホが支給されれば、公私の区別がつくようになると思いました。友だち登録していただくのに、私的なアカウントではお客様の側にも私たちの側にも抵抗がありますが、社給スマホで使うビジネス版のLINE WORKSならそのようなことはありません。そのため、登録をお願いしたお客様の多くが快く友だちになってくださいました。
これまでに登録いただいた私のお客様は、160~170名にも上ります。私は自分のアイコンに好きな野球選手の画像を使っているのですが、それをきっかけにトークが弾み、お客様との距離感が縮むこともあります。また、イベントなどでお客様と撮った写真をLINEで送信できるのも、お客様によろこんでいただけるので、ありがたいです。

 

湯浅さん :

アドバイザーには若い女性も多いため、お客様とのLINEによる連絡に会社が管理するLINE WORKSが使われることは、社員本人だけではなく、その親御さんからも「安心」と感じていただけているようです。

運用に際しては、保険会社ならではのルールを設けられていますか。

山田さん :

保険の募集行為には業界の定めたコンプライアンスガイドラインがあり、お客様に誤解を与えないよう、細かな商品説明は登録された資料で行うようにするなど、さまざまな禁止事項があります。それに抵触しないよう、トークのログを定期的に点検しています。ただ、お客様とのコミュニケーション促進のために導入したツールですので、直接的な仕事の内容だけでなく、趣味の話題などにも利用されています。

LINE WORKSの具体的な活用シーンとその効果をお聞かせください。

畠さん :

お客様への私の主な連絡手段は電話かショートメッセージでしたが、そのほとんどがLINE WORKSに置き換わりました。お客様がお仕事をされている時間帯には電話をかけてもまず応答してもらえませんし、ショートメッセージは、返信がないと読んでいただけたかどうかもわかりません。しかしLINEにメッセージを送れば、お客様の反応がタイムリーにわかりますし、多くのお客様がすぐに返信もくださいます

 

初めてお会いするお客様にマッチする商品をお勧めするには、そのお客様に関する情報を入手することが不可欠です。LINEとのやりとりは電話やショートメッセージより気軽な雰囲気でできるので、事前のヒアリングがしやすくなりました。実際にお会いしたときに説明し切れなかったことを後からフォローするのも、LINEになら手軽にできます。

そのため、まずはLINE WORKSの友だちとなっていただくお客様を増やすことを意識していますが、その後、個々のお客様といかに親密なコミュニケーションを図れるかが、営業活動にとって重要だと思っています。

よりよい商品をご提案するため、お客様のLINEに商品案内のリンクを送っておき、隙間時間に確認いただきご成約に至ったケースもあり、LINE WORKSはお客様に直接お会いしなくても商品をご提案する手段となっています。

加入を検討してくださるお客様には、保険プランを記載した設計書を作成してお渡ししますが、それをご覧になった後で、条件の異なるプランを別途試算して欲しいと要望されることが少なくなく、以前は新たに作成した設計書を持参してご説明していました。プランの見直しが複数回に及ぶとその都度お客様を訪問していたのですが、LINE WORKS導入後は、アップロードした設計書のリンクをLINEに送信することで、お客様に即時ご検討いただけるようになりました。

 

このように、LINE WORKSを利用するようになってからは、良い意味でお客様に直接お会いすることなく対応できる業務が増えています。その結果、以前と同じ活動時間の中でできる仕事が増え、より多くのお客様に提案ができるようになりました。

 

湯浅さん :

当初は主にアドバイザーがお客様へのアポイント時の連絡に活用することを予想していましたが、実際に導入してみるとお客様の側からもさまざまな相談が寄せられるようになりました。個々の社員がそれに対応することで営業活動が広がりを示し、LINE WORKSを導入したことは業績拡大にもつながっていると感じています。

トークによるお客様との連絡以外に、どのような活用が進んでいますか。

湯浅さん :

もともとお客様との連絡を便利にするツールとして導入しましたが、自発的に多数のグループが作られ、社内コミュニケーションも活性化しています。情報システム部が試行スマホの不具合に関する報告を求めたときは、グループトークのノート機能の活用によって効率的に情報収集をした営業所もありました。

 

社内の情報共有体制をさらに強化するため、本社からアドバイザーへの業務連絡用Botを構築し、周知事項をBotから個別に一斉配信しています。これまで支社や営業所の朝礼などを通じて行われていた通達が全員に瞬時に伝えられるようになったのは、アドバイザーが多い当社にとって画期的なことです。口頭伝達をすべてLINE WORKSに切り替えようとしている営業所もあり、伝達業務のあり方が大きく改善されようとしています。

畠さん :

伝達事項がLINE WORKSで発信されれば、朝礼に参加できない社員への通達漏れがなくなります。私の部署では、全メンバーに急ぎの伝達をするのにもLINE WORKSが使われるようになりました。また、携帯番号を知らなくてもLINE WORKSから簡単に通話もできるので、社内のコミュニケーション環境は以前と比べて確実に向上していると思います。

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいですか。

湯浅さん :

約1,500人による試行でLINE WORKSの効果が十分に検証されたので、今後は約3万人いる全社のアドバイザーに利用を拡大する予定です。お客様への営業活動がスムーズになるのはもちろん、全国のアドバイザーの間で有用な情報が共有されるようになることにも期待しています。

外部連携でつながるとLINE WORKSのアドレス帳に登録されるお客様のお名前はLINEのニックネームで表示されます。登録数が増えるとそのニックネームがどのお客様なのか判別しづらくなるので、当社がクラウド上で管理している独自の顧客データベースと連携させることで、アドレス帳の表記をニックネームから実名に自動修正させる取り組みも進めています。

 

LINE WORKSの利用規模の拡大に伴ってコンプライアンスを強化するため、デジタルイノベーション開発室では、不適切な内容のトークが行われていないかどうかをより厳密にチェックするためのAIの導入も検討しています。また、お客様とお会いしているアドバイザーが保険商品の難しい質問をその場で確認できるようにするチャットボットの構築も検討中です。将来的にはそれをAIエージェントに発展させ、個々のアドバイザーの予定に応じて適切な行動をアドバイスする秘書のような役割を果たしてくれるようになればと考えています。

LINE WORKSは、保険のみならず幅広い業界で有用だと思われますか。

湯浅さん :

多数のお客様にアプローチされる業種にとって、LINE WORKSはコミュニケーションの効率化を図るために最適なツールだと思います。それに加えてAPIやBot機能などを活用すればさらに利便性が高まり、さまざまな業務効率化に役立つはずです。

 

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2019年4月当時のものです。