導入事例 社会福祉法人黒部市社会福祉協議会

業種 NPO・団体

使い方 内勤・外勤連携   Bot活用   ナレッジ共有

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介護ヘルパーどうしの業務情報を相互に素早く共有。サービス品質の向上だけでなく、ICTを活用した実証実験にも活用し、地域住民を見守る環境づくりを目指します。

  • 黒部市社会福祉協議会 職員のみなさん

富山県黒部市の社会福祉法人黒部市社会福祉協議会は、訪問介護をするホームヘルパーやケアマネージャー、事務所スタッフ間の情報共有ツールとしてLINE WORKSを導入。それまでの携帯電話やショートメッセージサービスによる連絡よりも、スピーディかつ確実に情報伝達が行われる環境を構築しました。また、後期高齢者世帯に設置したICT機器とLINE WORKSを連動した地域での「見守り」の実証実験にも取り組まれています。同社会福祉協議会の皆さんに、訪問介護の現場におけるLINE WORKSの活用シーンと導入効果を、それぞれの立場からお話しいただきました。

皆さんの主な業務内容をご紹介ください。

総務課 課長補佐/経営戦略係長 小柴 徳明さん

– 小柴さん :
総務課 課長補佐として黒部市社会福祉協議会(以下、社協)の総務を取りまとめるほか、経営戦略係長として、市民の皆さんの利便性向上や、職員の業務を効率化するためのICT利活用推進事業にも携わっています。

– 高村さん :
総務課で小柴を補佐しながら、地域福祉に関するアンケート調査と結果分析、報告書の作成なども行っています。LINE WORKS導入に際しては、利用目的や操作法を職員に周知させる役割も担いました。

– 杉本さん :
在宅福祉課の在宅福祉係長と居宅訪問介護係長を兼務し、介護保険事業の請求業務やスタッフの賃金の集計なども担当しています。

– 栃林さん :
ケアマネージャーとしてご利用者のケアプランを作成するほか、ホームヘルパーのサービス責任者も兼任しています。

– 渡辺さん :
在宅福祉課の主任として、職員と登録ホームヘルパーの勤務シフト管理や、両者の連絡調整などを行っています。

LINE WORKS導入以前はどんな課題に直面していましたか。

– 小柴さん :
福祉分野も人材難で、人手不足のためにホームヘルパーの負担が増しています。これまではご利用者へのサービス拡充に注力してきましたが、現在はそれに加えて、支援をする側の負担を軽減して働きやすい環境作りをするための施策も重要になっています。

在宅福祉課 在宅福祉係長/居宅訪問介護係長 杉本 歩さん

– 杉本さん :
当社協のホームヘルプセンターでは、正職員9名、パートスタッフである登録ホームヘルパー約20名が、170名ほどのご利用者宅を訪問してさまざまな介護サービスを行っています。1人のご利用者に対するサービスに複数のスタッフが関わっていることから、関係するスタッフ全員が情報を共有することが不可欠ですが、別々の現場で業務をしているホームヘルパー同士が一堂に顔を合わせる機会は少なく、お互いに密なコミュニケーションを図ることは難しいのが課題でした。

総務課 嘱託職員 高村 千恵美さん

– 高村さん :
例えば1人の利用者に1日2回サービスを提供するケースで、午前中に訪問したホームヘルパーがご利用者に熱があることに気づいたら、午後訪問するホームヘルパーにそのことを伝えなければなりません。これまでは電話かショートメッセージで連絡していましたが、読んでもらえたかわかりませんし、すぐに連絡がつかないことも少なくありません。その場合は事務所が託された伝言を紙にメモし、午後の担当者のデスクに貼っておくことが常だったので、スタッフ同士の意思疎通をしやすくするためのツールの導入が急がれました。

LINE WORKSを選定された理由と、導入までの流れを教えてください。

– 小柴さん :
いくつかのコミュニケーションツールを比較検討し、わざわざログインすることなく利用できるLINE WORKSが最も使いやすそうだと思いました。ホームヘルパーは40歳代以上の女性が多く、複雑なコミュニケーションツールを使いこなすのは容易ではありませんが、大半のスタッフがスマホを保有し、日常的にLINEを利用しています。LINEと操作性が似ているLINE WORKSなら無理なく普及するだろうと考え、まずは事務系職員で試したところ使い勝手の良さが実感されたので、2019年11月よりBYOD(私物端末の業務利用)で全体に導入しました。

– 高村さん :
導入時には、スマホやIT機器の操作に比較的長けているヘルパー職員3名を“アンバサダー”として、個々のホームヘルパーに操作法をレクチャーしてもらいました。それが功を奏し、すぐに全体での活発な活用が始まりました。“アンバサダー”がホームヘルパーの疑問を解決してくれるため、これまでのところ操作法などに関して総務課に問い合わせが寄せられることもありません。
多くのスタッフがもともと私有の携帯で業務連絡をしていたこともあり、BYODでの利用に対する反発もありませんでした。むしろ多くの人が、業務連絡がスムーズになることに期待を抱いてくれたようです。

導入に際して、どのような運用ルールを策定されましたか。

– 小柴さん :
ホームヘルパー間で情報を共有するためにご利用者宅の様子などの写真を撮る場合は、必ずご本人に許可を取るといった最低限の規則は設けましたが、最初からルールをガチガチに決めてマニュアルどおりの運用を図ったのでは、利用が進みにくくなるのではないかと考えました。まずはLINE WORKSの運用ポリシーだけを先に決めて、介護の現場でLINE WORKSを使うホームヘルパーの声を拾い上げながら、これから少しずつ運用ルールの整備をしていきます。

– 高村さん :
ご利用者の個人情報漏えいを防ぐ目的から、スマホではファイルをダウンロードできない設定にしています。グループについては、組織図に基づいて「総務課」、「地域福祉課」、「在宅福祉課」などを用意したほか、ユーザーが管理者に申請することで作成できるようにしました。特に細心のケアが必要なご利用者を支援するスタッフのグループがいくつかでき、活発な情報共有が行われています。

LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。

ケアセンター/ホームヘルプセンター 在宅福祉課 介護支援専門員 栃林 弓さん

– 栃林さん :
トークグループを活用することで、メンバー同士がご利用者のリアルタイムな状況を瞬時に共有できるようになり、ケアマネージャーからの指示も関係者全員に確実に伝えられるようになりました。他のホームヘルパーに伝達したいことがあるときも、LINE WORKSは既読が表示されるので確実に届いたことがわかり、安心です。

– 渡辺さん :
以前はご利用者のお宅の薬の保管場所や、処方箋の内容などを別のホームヘルパーにテキストや口頭で伝達するのに苦労していましたが、LINE WORKS導入後はそうした情報を画像とともにわかりやすく伝えられるようになりました。

周知すべきご利用者に関する情報を即座に共有

– 杉本さん :
ホームヘルパーに緊急の用件を伝える際、休日や深夜に電話をするのは気がひけますが、LINE WORKSのトークなら時間を気にせずメッセージを送れます。

– 高村さん :
ホームヘルパーへの伝達事項を紙のメモで伝えることがほとんどなくなりました。複数のメンバーに伝えたいメッセージは一斉に発信できるようになり、情報伝達に関する業務負担が大きく軽減しています。

– 小柴さん :
ご利用者のお宅を訪問するホームヘルパーは、それまでの状況や経過を知るために事前に支援記録を閲覧しますが、現場から現場へ直行することもあり、事務所に戻って次のお宅の支援記録がチェックできない場合もあります。LINE WORKS導入後は、サービスを提供したホームヘルパーが、別のホームヘルパーに申し送り事項や当日の状況をトークで伝えようとする意識が根づきました。そのため、支援記録に目を通すことができなくても、トークの内容からご利用者に関する最新の情報を把握できるようになりました。

福祉に関する外部の研究機関や識者・支援者などと連絡を取る場合は、eメールに替わって外部トーク連携で相手のLINEとやり取りするようになり、以前より素早く意思疎通ができるようになりました。また、自然災害発生時などにスタッフの安否確認の手段となり得るのも心強く感じます。

トーク以外にどのような機能を活用されていますか。

– 高村さん :
職員の行事に関する日程調整や出欠確認にアンケートを使うようになりました。紙の文書による回覧では、全員の回答を得るのに1週間ほど要していましたが、LINE WORKSのアンケートなら3日ほどで済みます。

LINE WORKS導入によりコミュニケーションが促進されたことを多くのスタッフが実感

ホームヘルプセンター 在宅福祉課 主任 渡辺 恵理子さん

– 渡辺さん :
正職員同士はカレンダーを活用していますが、登録スタッフにもカレンダーを使ってもらうのは次のステップとし、現在は勤務シフト表の写真を送信することでスケジュールを共有しています。それでも紙のシフト表を配布していた頃と比べ、シフト変更などの連絡が迅速にできるようになりました。

– 小柴さん :
写真などを簡単に投稿できることから、ナレッジ共有の手段としてホームも活用しています。

 

地域福祉分野におけるICT利活用研究事業でもLINE WORKSが使われているそうですね。

ICT機器

– 小柴さん :
当社協では関係機関と協力し、「くろべネットICT利活用プロジェクト※」の実証実験を行っています。黒部市在住の後期高齢者世帯にICT機器を設置し、ご利用者が「元気です」といった内容のカードを機器にかざしてボタンを押せば黒部市社協に通知されることで、見守りが行われる仕組みです。ICT機器には、当社協がご利用者に送信したテキストを音声で読み上げる機能もあり、そこにLINE WORKSのチャットボット機能が使われています。誰もが安心して生活できる地域づくりに向け、この実証実験は今後も継続する予定です。

LINE WORKSのチャットボットによる音声読み上げサービスの登録画面

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させていくお考えですか。

– 小柴さん :
将来的には、訪問サービス提供後の報告や、さまざまな業務の承認フローなどもLINE WORKSを活用して効率化できればと思いますが、一気にデジタル化を進めるのではなく、まずは連絡業務で使い慣れてもらい、段階的にステップアップを図っていければと考えています。


※黒部くろべネットICT利活用プロジェクト…黒部市社協、NICT、日新システムズが2019年4月に締結した、黒部市内の地域福祉分野におけるICT利活用の研究および高齢者見守り体制「くろべネット事業」に関する三者協定に基づき、助けが必要な高齢者と支援者(家族、地域サービス事業者など)がICT活用によってつながることで、支援者の負担を軽減し、持続可能な地域共生社会実現を目指す活動。

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2019年11月当時のものです。