勝田台小学校PTA
業種
教育・塾 NPO・団体等
目的・効果
従業員間の連絡 スマートフォン活用 業務の見える化 導入のしやすさ
主な活用機能
トーク
グループ
お話を伺った方
PTA会長 齋藤 雄大さん  
村上 篤寛さん

勝田台小学校PTAがLINE WORKSで成し遂げた改革。昭和だったPTAに新しい風を吹き込みました。

千葉県八千代市にある勝田台小学校のPTAに新しい風が吹き込んでいます。ビジネスチャット「LINE WORKS」の導入をきっかけに、学校に来ること前提だった情報共有が大きく変わった。勝田台小学校 PTA会長の齋藤雄大さんとLINE WORKS導入に携わった村上篤寛さんに話を伺いました。

 

本事例のポイント
  • 一人ひとりの賛同を得ていくことがLINE WORKS導入のコツ
  • PTA版情シスの設置で運用のサポート体制を構築
  • 学校に行けず参加できなかった保護者を掘り起こしPTA活動を活性化

昭和の名残が残るPTA
6年越しの改革

学校と子供たちをサポートするPTA。しかし、PTAにネガティブなイメージを持つお父さん・お母さんは多いかもしれません。子供の入学とともに半強制的に組織に所属させられて会費を徴収され、親どうしで決められた仕事を押しつけあう4月。任期が終わるまで誰もが声を潜めて黙々と作業をするので、理不尽さを感じても組織は変わらない。もちろん、健全に活動しているPTAもありますが、多くのPTAはやり方や考え方も古いままといいます。

 

齋藤雄大さんが昭和の名残が残るPTAを変えようと考えたのは、勝田台小学校PTA会長になった6年前にさかのぼります。

「意見交換もなく、決まった話を伝えるだけの会議が年間で何回もありました。みなさん時間をとって学校に来ているのに、これはよくないと思いました」(齋藤さん)

 

勝田台小学校 PTA会長の齋藤雄大さん

 

子供の数が少なくなり、働いている保護者が増え、PTAを取り巻く環境は確かに激変しています。同期のPTA本部メンバーが改革に前向きだったこともあり、2年目には会議の数を2/3まで削減できたそうです。しかし、3年目に役割や作業が不明瞭だった各部会の作業の可視化に取り組んだものの、紙のノートに記載するところまでしか実現できませんでした。

「PCで資料を作るとか、クラウドでデータを残そうという話にならず、結局使えない人にあわせようという流れになるんです」(齋藤さん)

 

こうして改革は停滞しましたが、その後、ITに強い新たなメンバーが入ったことで、PTA改革は大きくデジタル化に舵を切ります。その中の1つが、LINE WORKSの導入でした。

1人がスピード感を持って
一気に変えるのは難しい

LINE WORKSの導入に携わったIT企業勤務の村上篤寛さんは、現在小4と小1のお子さんが勝田台小学校に通っています。PTA本部に参加したのは今から3年前で、それまでは奥様がPTA活動に参加していましたが、話を聞けば聞くほど、一人一役員というPTA活動のあり方に疑問を感じたといいます。

「ベルマークや校内清掃、行事への協力、PTAバザー、広報誌の作成など先に仕事があって、それらを全員に担当してもらうまでが大変。特にリーダーは負担が大きいため、本来は他人には言わなくても良いような仕事や介護、育児などを理由になかなか手が挙がらない状態。おおよそネットで『PTA 闇』で調べると出てくるような話なのですが、さすがに在学中これがずっと続くのはしんどいなあと思いました」(村上さん)

 

そんな村上さんがPTA本部にジョインして変えたいと考えたのが、紙を前提とした情報共有のやり方でした。

「紙のノートでも残っていればよいですが、残っていない場合、1年ごとに刷新されるメンバーは人づてで作業内容を聞かなければならない。もちろん、父母への通達のためには、わざわざ学校に出向いて人数分のプリントを印刷する必要がありました。みなさん忙しいのに、これはなんとかしたいと思いました」(村上さん)。

 

長年にわたりPTA改革に取り組んできた齋藤さん、ITに強い村上さんに加え、とにかく作業の速い副会長はじめ、他にも改革に賛同するメンバーが本部に揃ったことで勝田台小学校のPTA改革は大きくデジタルに舵を切りました。

「結論めいたことを言いますが、1人がスピード感をもって一気に変えようとしても難しい。賛同してくれる人たちを増やし、納得してもらう時間をある程度かける必要があると思います」(村上さん)。

LINE WORKS選定の理由

「一言で言えば、みんなが使っているLINEにインターフェイスが似ていて、かつLINEとは別のアカウントで情報共有ができるところです」(村上さん)

村上さんは、非営利団体向けの低廉なアカウントを用意している他のサービスも検討しましたが、PC操作が前提で画面が使い慣れないという点で利用を見送ったといいます。その点、直感的に操作できるLINE WORKSであれば、フリープランを利用することでコスト面でも導入のハードルが低いと感じたそうです。

コロナ禍で加速したLINE WORKSの利用
「PTA版の情シス」も設置

LINE WORKS導入を本格化したのは2019年。そのため、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年度からは、LINE WORKSの利用をスタートすることができました。GoogleフォームでPTAメンバーのメールアドレスを収集して、LINE WORKSアカウントを登録。

「4月のPTA総会のときにはアカウントの登録は終わっていて、総会の文書もPDFで提供して、LINE WORKSのアンケート機能を使って承認をとるところまでできました」(村上さん)

 

LINE WORKSでのグループトークのイメージ(PCの場合)
LINE WORKSのトークに備わっているノート機能を活用し、マニュアル等をストックしている

 

コロナ禍の中、学校に来られない、情報共有が難しいといった中、LINE WORKSは大きな反発もなく受け入れられ、PTAのためにプライベートのLINEアカウントを交換しなくて済むという点もメリットだったといいます。2020年度は、本部以外のPTA活動がほぼストップしたため、活動再開後にゆるやかに使われるようになりました。

「コロナウイルスがなかったら、私は使いたくないという声がめちゃくちゃ出ていたと思います。でも、実際に会えないし、使ってみたら便利です。保護者だけでなく、子供向けの情報も流すので、使ってみませんか?とお願いしたので、前向きに使ってくれたというイメージです」(齋藤さん)

PTAにおける具体的なLINE WORKS活用とその効果

勝田台小学校のPTAは大きく本部によるPTA全体の運営、会計、広報誌の作成といった主要業務のグループのほか、行事や図書室のサポート、学校の清掃や草むしり、児童の見守り、卒業記念品準備などのグループで構成されています。これらのグループごとにLINE WORKSのトークグループが作られ、資料の共有もLINE WORKS上で行なわれています。利用に際してはマニュアルも用意され、情シスにあたるLINE WORKS運用サポートのメンバーが使い方や活用の相談に乗っているといいます。

 

勝田台小のPTAの組織

 

リテラシや利用環境の問題はあったそうです。LINE WORKSを使いたくないという人はもちろん、学校でのIT導入は、とかくリテラシの低い人に全体をあわせる傾向があります。約1万5500人の小学生がいる八千代市でアンケートをとったところ、そのうち1割は自宅にネット環境がなく、紙による伝達は続いているといいます。そのため勝田台小学校のPTAはLINE WORKSの利用を前提としつつも、メール、紙という3つの伝達手段を用意しています。

 

「従来のやり方では参加できなかった人が参加できるようになったこと」(村上さん)

前述したPTA総会も普段は委任状のみ提出する人が多く、参加者はあまりいませんでした。しかし、LINE WORKSのアンケートを用いることで、参加しなかった層を掘り起こすことができたといいます。

時間があれば活動したい気持ちがあっても、行くことができないだけで、活動が見えなくなり、そうすると自ずと参加しにくくなります。LINE WORKSを使うことで、そういったメンバーを置いてきぼりにすることなく、全員に情報を届けるプラットフォームとしても一役買っているそうです。

PTA版のクラウドファンディング導入
クラスごとの役員決めを廃止

勝田台小学校PTAの改革はいまも続いています。たとえば、PTA活動費とは別に設立したPTAとして学校に寄付する支援品などを購入するための出資を会員から募る「勝小こどもみらい基金」は、いわばPTA版のクラウドファウンディングで、リアル活動の代わりに、出資することでPTAの活動としてみなすようにしています。

「大前提として、ヒマな時間がある人なんて居ない、という話を本部メンバーでしていました。フルタイムやパートタイムにかかわらず働いていたり、家事や介護や育児など個人ごとに事情はさまざまですが、各家庭内の負担も大きい中、PTA活動に協力したい気持ちはあるけど、時間を捻出できないという声に応えました。これも試行錯誤の1つですので、もちろんさまざまなな意見はありましたが、こういう仕組みはありがたいといろいろな方から言っていただけました」(村上さん)

 

2020年度に行なった議論を経て、2021年度からはクラス単位での役員決めを廃止し、仕事にあわせてオンデマンドに人材を調達することにしたといいます。手が挙らなかったらどうするのだろうかと心配になる声もありましたが、草むしりや図書室サポートなどの依頼がLINE WORKS運用サポートを経由して、各グループに行くと、それぞれのグループメンバーから自主的に手が挙り、きちんと結果報告も挙ってくるといいます。

「草むしりなんて期間は1週間くらいしかないし、正直どれくらいの方が参加していただけるのかな?と思っていたのですが、毎日誰かがきちんと作業して、報告をくれるんです」(村上さん)

 

ノートの機能で草むしりを依頼
写真付きで報告を上げることで活動が見えるようにもなる

 

PTAの活動に対しては、さまざまな意見がありますが、学校や子供に協力したくないという人はあまりいないといいます。

「今までPTAのための仕事だったので、やらされ感があった方もいたと思うんです。でも、PTAって本来は学校が困っていることをサポートする役割のはずです。だから、PTAはあくまでハブとなって、学校が困っていること、子供のためになることをお手伝いしてもらえませんか?とお願いすると、みなさん自主的にやってくれるんです」(齋藤さん)

意義のあるPTA活動を
理解してもらうために

LINE WORKSの導入を含めたPTA改革の活動自体は、今後勝田台小学校のみならず、八千代市の小学校全体に波及させていく予定で、すでに千葉県のPTA協議会にも試験導入しているといいます。

「1つの学校単位ではなく、市や県のレベルで試して、トライ&エラーをしながら、PTAで有効活用していこうと思っています」(齋藤さん)

 

いまPTAで重要なのは情報共有で、そのためのツールをLINE WORKSが担っています。

「PTA活動をちゃんとやってみたら、子供のためにもなるし、地域でのつながりもできるし、先生や学校がどんな活動をしているのか、保護者の目線で見られる。PTAが意義のある活動だと思ってもらうためのツールとしてLINE WORKSが活きてくるといいなと。そのための活動の一環として、地元の企業の協賛を募った情報誌を八千代市のPTAとして作成し、保護者に配布し、その中でLINE WORKSの導入もアピールするようにしました」(齋藤さん)

齋藤さんは八千代市のPTA連絡協議会の会長、千葉県PTA連絡協議会の副会長を務めていることもあり、講演などでアピールしていきたいといいます。

 

一方で、LINE WORKSの導入に携わった村上さんは「結局LINE WORKS自体はあくまでツール。入れればすべてが解決するわけではないので、今なにに困っているのか、やりたいことをきちんと整理することが重要だと思います」とアドバイス。数多くの議論を積み重ねて作った仕組みや組織の目指すべき姿が先にあり、その手段としてLINE WORKSを使いこなしています。

 

※本記事は2021年12月02日にて公開されたASCII編集部作の記事をリライト掲載したものです。

 

【資料公開】教育業界向けLINE WORKS導入事例集