草加・八潮・三郷を最重点エリアとし、ハウスクリーニング・家事代行・害虫駆除・衛生管理を手がけるダスキンの加盟店として、地域密着型で事業を展開しているダスキン草加。従来、LINEで行なっていた業務上のやりとりをLINE WORKSに移行したものの、導入当初は「LINE WORKS開設の壁」でつまずいたそうです。その後、セミナーや個別相談会での情報収集が功を奏し、今ではLINE WORKSの導入効果を加盟店に語るまでに成長しています。1年間の導入までの苦労と成功のポイントをダスキン草加 代表取締役 田上誠児さんに伺いました。
本事例のポイント
- 業務課題に活用するための秘訣は、相談会を活用し試行錯誤を繰り返すこと
- 予定の見える化=業務の見える化。作業負荷に合わせて業務量が調整可能に
- スケジュール管理、紙の掲示物、ファイル共有がLINE WORKSに統合され業務効率化
デジタルシフトを推進し、リテラシの低い社員にも浸透するLINE WORKSを選定
田上さん :
当社は、ハウスクリーニングや家事代行、害虫駆除などを手がけるダスキンの加盟店で、草加、八潮、吉川、越谷、松伏などの地域で、1万件以上の実績があります。しかし、業界の特色としてITに遅れがちです。私は、業界や加盟店に「デジタルシフト」を啓蒙しています。
当社でいうと、もともと従業員どうしのやりとりに長らくLINEを使っていました。しかし、あくまで個人のLINEアカウントなので、退社するときのやりとりの削除は、本人に依頼するしかなく、情報管理上の課題感がありました。また、スケジュールはGoogleカレンダー、掲示板は紙のものを使っており、これらもデジタルで統合する必要性を感じていました。
いろいろなツールを導入しましたが、リテラシーの差でツールを使う人・使わない人がでてきました。従業員に浸透させようと思ったら、いかにシンプルにするか重要なのですが、なかなかいいのが見当たりませんでした。このニーズを満たすのがLINE WORKSでした。また、LINE WORKSに惹かれた理由に、LINEユーザーともつながるという点もありました。もともと、コミュニケーションツールはChatworkを使っていたのですが、社内向けであり、B2Cに拡がりがないと感じていました。しかし、LINEとつながるLINE WORKSであれば、お客さまともつながれます。すごく魅力的でした。
3人が別々にLINE WORKSを開設し、うまくいかなかった半年間
田上さん :
当初、社内の幹部3人で使ってみましたが、実は半年間うまくいきませんでした。今から振り返れば、同じ会社組織なのにもかかわらず、3人が別々にLINE WORKSを開設し、トークしていたのが原因でした。
本来、会社でLINE WORKSを利用するためには、管理者として会社の「ワークスグループ」を新規開設するとともに、その「ワークスグループ」に個人単位のアカウントを作成し、メンバーを追加しますが、当時、3人の幹部がそれぞれ管理者として別々のワークスグループを開設してしまったため、ひとつの会社のLINE WORKSとして利用できていなかったのです。そのため、メンバー管理もできず、トーク以外の機能がうまく使えていませんでした。
セミナーや個別相談会で情報収集 毎日の声がけで現場に浸透
・従業員アカウントは管理者画面で事前に作成することで運用開始がスムーズに
・所属組織を設定しておくことでグループトークが自然とはじまった
田上さん :
約半年後、あるメンバーがその誤りに気がついてくれて、LINE WORKSを作り直しました。まずはダスキン草加の会社名でワークスグループを開設し直し、管理者画面で部署単位の組織を作成。従業員は、ただ招待するのではなく、管理者画面で個々のアカウントを作成し、所属組織も設定してから従業員にログイン情報を配布した方がスムーズだとわかったのです。幹部でのテスト運用後、従業員にお知らせしました。そうしたら、今までのつまずきが嘘のようにトークが始まりました。
LINE WORKSを作り直してから約2ヶ月、私自ら、従業員にわからないところがないかを毎日のように尋ね、普及に務めました。LINE WORKSは機能が豊富なので、「大切な情報を消しちゃいそうで怖くて触れない」とか、「トークからスケジュールに行ったら元に戻れない」といった声がありました。そのため、まずはトークのみを使ってもらい、普通のLINEと変わらないことをアピールしました。最初は1対1の個人トークから始まりましたが、組織のトークグループは自動生成されており、従業員は設定されている所属組織のグループに自動的に参加している状態となっていたため、グループトークも自然と行われました。
使いやすいトークに慣れてから段階的に他の機能を活用
・スケジュール管理を一元化し、10種類のカレンダーをLINE WORKSで共有
・業務の見える化につながり、作業負荷に合わせて業務量が調整可能に
田上さん :
トークに慣れた後はスケジュール管理を使い始めました。もともと部署ごとにスケジュールの管理方法がばらばらだったため、これを一元化するのはLINE WORKS導入の大きな目的のひとつでした。当初は、トークグループに付随するカレンダーを利用していたことで思い描いていた使い勝手ではないなと感じていましたが、LINE WORKSの初心者向け個別相談会でアドバイスを受け、カレンダー機能を使うことで、チーム全体の予定が一目で把握できるようになりました。
スケジュールの見える化は非常に大きかったです。現在では、個人用、事業部共有用、会社の年間計画まで、全部で10種類くらいのカレンダーを共有、運用しています。社員は全てのカレンダーを、パート・アルバイトは所属グループのみ閲覧できる設定にしています。
幹部だけではなく、社員や準社員まで含め、たくさんの目で見られるようになったのが大きいと思います。業務の詰まり具合や空き状況が互いにわかるので、作業負荷に合わせて業務量を調整できるようになりました。
試行錯誤が功を奏し、ばらばらだったツールをLINE WORKSに統合
田上さん :
従来使っていたLINEやChatwork、G SuiteなどもLINE WORKSへ統合し、当社の標準コミュニケーションツールとなりました。紙だった掲示板も、AirDropで個別にやりとりしていたファイル共有もすべてLINE WORKSで行うようになりました。
導入がうまくいったポイントは、管理者がセミナー参加や情報収集を積極的に行ない、あきらめずに試行錯誤を繰り返したことだったと思います。まずはLINE WORKSの全体像をつかみ、LINE WORKSの初心者向けセミナーと個別相談会に参加したことで、業務課題の解決や現場へのツールの落とし込みにまで進むことができました。
今後は、加盟店同士や顧客ともLINE WORKSでつながりたい
田上さん :
この体験をもとに、今ではLINE WORKSの導入や効果について他の加盟店にお伝えすることもあります。今後はダスキンの加盟店どうしをLINE WORKSでつないだり、当初描いていた顧客のLINEともつないで行きたいと思っています。私たちの名刺には、LINE WORKSを使っているので、LINEとつなぎましょうという記載を入れてあります。つながっている顧客のLINEはまだ数件ですが、本格的に増やして行きたいと思います。
※本記事は2020年04月10日にて公開されたASCII編集部作の記事をリライト掲載したものです。