社会福祉法人つくし会
2022-08-04
業種
教育・塾
目的・効果
従業員間の連絡 BCP・安否確認 グループウェア 会議・朝礼 予定の見える化 導入のしやすさ
主な活用機能
トーク
グループ
掲示板
カレンダー
アンケート
メール
Drive
お話を伺った方
理事長 つくし保育園長 加賀谷 隆真さん(左中)  
つくし保育園 保育士 千装(ちぎら)有紀さん(左)  
つくし保育園 保育士 渡辺 成美さん(右)  
つくし保育園 保育士 櫛谷(くしや)美優さん(右中)
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保育園の運営を円滑にするツールとしてLINE WORKSを活用。職員どうしの連携が強化され、保護者からの信頼にもつながっています。

群馬県太田市と東京都足立区で保育園を運営する社会福祉法人つくし会は、園内のコミュニケーション環境を改善するためLINE WORKSを導入。保護者からの伝達事項を担任の保育士にスピーディに伝えられるようになり、紙のノートやメーリングリストの利用時に発生しがちだった伝達漏れを防げるようになりました。ほかにもメール、掲示板、カレンダーなどを活用することで、保育業務が効率化し、保育の質の向上を実現しています。

 

本事例のポイント
  • 保護者からの連絡事項を保育士どうしで確実に伝達
  • お遊戯会や在庫管理など目的別のグループで業務を円滑化
  • アンケートによる安否確認をBCP対策に活用
  • 職員全体の情報共有が円滑化され、園の一体感を醸成

社会福祉法人つくし会の事業内容をご紹介ください。

加賀谷さん :

当法人は群馬太田市のつくし保育園と、東京都足立区の栗原つくし保育園を運営しています。ほかに指定管理者として、太田市の3つの放課後児童クラブの運営も行っています。

 

これまでどのような課題を抱えていましたか。

加賀谷さん :

2つの保育園では、保育士が残業をせずに定時帰宅できる働きやすい環境を整えるため、以前から保育業務支援システムをはじめとするさまざまなICTツールを導入して業務の効率化を図ってきました。それでもなお課題として残っていたのが、各クラスで保育業務にあたる保育士どうしの情報共有でした。

 

千装(ちぎら)さん :

以前は、「今日はいつもよりお迎えが遅れます」といった電話で受けた保護者からの連絡事項は、応対した保育士が紙のノートに記入し、全員に共有していました。しかし、紙のノートでは、一斉に伝えることが難しく、また、忙しいときには、ノートの内容を見落としてしまうこともあり、保育士の間でうまく情報を共有できていませんでした。

 

 

加賀谷さん :

そこで、保育士の携帯電話に一斉に送信できるメーリングリストサービスを利用するようになったのですが、メールは一方的なコミュニケーション手段でいつ読まれたかもわからず、導入効果をあまり感じることができませんでした。

 

渡辺さん :

急ぎの用件に関しては、職員が各クラスに設置されている内線電話にかけて伝えることもありましたが、口頭での伝言はあまり記憶に残らないため、「言った/聞いてない」というトラブルが発生することもありました。

 

 

櫛谷さん :

LINEを使えば手軽に情報を共有できますが、個人のコミュニケーションツールを仕事に使うことに抵抗を感じる人もいますし、プライベートの友だちへの誤送信等の懸念もあって、利用は一部の保育士にとどまっていました。

 

 

加賀谷さん :

これらの課題を抜本的に解消するには、情報を確実に伝えられる新たなコミュニケーションツールが有用だと思い、メーリングリストに替わってビジネスチャットツールの導入を検討するようになりました。

課題を解決する手段としてなぜLINE WORKSを選ばれたのですか。

加賀谷さん :

いくつかのツールを比べた結果、大半の職員が使い慣れているLINEに操作性が近いLINE WORKSが最もスムーズに定着するだろうと感じました。チャットだけではなくスケジュールを共有できるカレンダー機能なども備え、グループウェアとして活用できる点も魅力でした。

 

2019年10月に、私と主任、副主任の3人でフリープランを試用したところ、メーリングリストとは比較にならないくらいほどスピーディに連絡し合えることを実感できたので、翌月に2つの保育園のパートを除く正規職員でフリープランの利用を開始しました。その直後にコロナ禍となりましたが、休園期間中も職員どうしが円滑にコミュニケーションを取れたことでLINE WORKSの利便性を強く実感し、2020年6月に有償のライトプラン(現・スタンダードプラン)、2021年3月にはメールやDrive機能も使えるベーシックプラン(現・アドバンストプラン)にアップグレードして活用しています。

LINE WORKSの導入によって、園内のコミュニケーションはどう改善されましたか。

【グループ】職員全体や目的別のグループで業務情報を瞬時に共有
【メール】行政からの通達を全職員に転送して確実に周知
【ビデオ通話】感染防止対策としてビデオ通話によるリモート会議を実施
【アンケート】災害発生時に職員の安否を確認

 

加賀谷さん :

それぞれの保育園にパートも含む全職員が所属するグループをつくりました。紙のノートやメーリングリストで伝えられていた情報が瞬時にトークで共有されるようになりました。

 

櫛谷さん :

保護者から電話や口頭で受けたさまざまな連絡事項を全体グループに送信することで、早番と遅番の保育士どうしの引き継ぎでの伝達漏れがなくなりました

 

「降園時に代わりの人が迎えに行きます」といった情報を、すべての保育士が把握しているので保護者への対応がスムーズになり、保護者からの信頼感も増したように感じます。保護者からの急ぎの連絡もすぐにトークで共有されるので、内線電話をかけて担任の手を中断させることがなくなりました。

紙のノートやメーリングリストによる連絡がトークに置き換わり、双方向の即時コミュニケーションが可能になった
渡辺さん :

トークの内容は園児に関する重要な記録ともなります。成長過程を記録する児童票を作成するときには、過去のトークログからその子に関する記述を検索して確認できるため便利です。

 

テキストだけではなく、写真を簡単に共有できるのも便利です。以前は各クラスの担任がその日の主な出来事を教室前のホワイトボードに記入して、迎えにきた保護者に見てもらっていましたが、コロナ禍となってからはホワイトボードを撮影した写真をメールで一斉配信しています。

その際も、各担任はホワイトボードへの記入が終わったタイミングで写真を撮影し、トークで共有できるので、配信担当の職員がわざわざ各クラスに撮影しに行く手間や確認もなく、作業がスムーズです。

 

千装さん :

職員全体のグループ以外に、運動会やお遊戯会など、イベントごとのグループも設けて関係するメンバーが情報を共有しています。お遊戯会の練習は、会場の市民会館でクラスごとに時間を決めて行うのですが、今練習しているクラスが何時頃に園に戻ってくるのかといった状況がトークルーム上でタイムリーに報告されるので、予定時刻に市民会館に行ったら前のクラスの練習がまだ終わっていなくて待たされるといったことがなくなりました。

イベントの準備もグループトークでスムーズに
職員が自発的にグループをつくり、メンバー間で緻密に情報を共有

 

園内の備品の消耗に気づいた職員が「在庫管理」グループにそのことを送信すると、担当者が備品を注文する仕組みも構築しました。以前は気づいた人が注文していたので、注文済みの消耗品が二重に発注されることがありましたが、いまはそうしたこともなくなり、無駄なコストを抑えられています。

消耗品の在庫管理もグループトークルームの活用で効率化された

トーク以外にどんな機能を活用されていますか。

加賀谷さん :

全職員に周知する必要のある行政からの通達メールを、以前はトークにコピペして発信していましたが、そのやり方では手間がかかるので、メール機能を使えるプランに変更しました。いまは行政から送信されたメールをそのまま全員に転送しています。

 

カレンダーには、2園それぞれの行事日程を登録しています。また、職員の勤務シフト表や全体への連絡事項は掲示板で周知。掲示板には、全国私立保育園連盟が発行する月刊情報誌の内容も、同連盟の許可を得た上で毎月アップして職員の閲覧を促しています。

職員全体への通達事項は掲示板で周知

 

コロナ禍となってからは感染を防ぐために職員が集まって会議をすることを控えていますが、無料のビデオ通話で各クラスの担任をつないでのリモート会議を行っています。

 

2022年3月の夜間に地震が発生した際は、太田市のつくし保育園の職員にアンケートのテンプレートを使って安否確認をしました。

地震発生時の安否確認にアンケート機能を活用

活用を広げていく際に工夫されていた点はありますか。

加賀谷さん :

保育士にはiPadを1台ずつ付与しているので、勤務中はiPadを携行しLINE WORKSを利用しています。またBYODでもLINE WORKSの利用を許可しているので、必要に応じて勤務外や休暇の日でも園の状況を把握できるようにしています。

また、園内でより活用していくために、LINE WORKSのYouTube動画を参考にしています。ノート機能は、機能別の活用動画を見て、議事録の共有で使い始めました。

園長として特に実感されるLINE WORKSの導入成果についてお聞かせください。

加賀谷さん :

私が特に感じているのは、職員間のコミュニケーションが円滑になったことで園全体に一体感が生まれたことです。コロナ禍になった2020年には行政からの指導で2カ月近く休園を余儀なくされましたが、その間もLINE WORKSで連絡を取り合ったことで、職員たちの気持ちがバラバラになることを防げました。また、多くの職員が「何か手伝えることはありますか?」というメッセージを発信してくれ、とても心強く感じました。

 

育休を取った職員が、任意で休職中も園の情報を把握できる環境を用意することで、復職が円滑になるという効果もあります。また、各園の全体グループには保育士だけではなく給食の先生も入っており、保育士どうしがやり取りする情報が同じように共有されます。給食の先生にとっては直接に関係のない情報も伝わるようになったことで、保育士との連帯感が生まれたと感じているようです。

 

LINE WORKSを含む多様なICTツールの活用による業務効率化で、職員が園児や保護者に向き合うという本来の仕事に以前にも増して注力できるようになったことも感じています。当園を視察した「ぐんまDX加速化プログラム」を実施する群馬県の担当者の方も、私たちのICT化の取り組み全体を高く評価してくださいました。

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。

加賀谷さん :

職員がいつどこにいても多様な業務情報にアクセスできるよう、活用レベルを高めていきたいです。そのほかにも、まだ十分に使いこなしていないDriveやタスクなどの機能も今後活用をすすめ、園の業務をさらに省力化して、子どもたちに寄り添う時間を増やしていきたいです。

 

 

【お話を伺った方】
加賀谷 隆真さん

社会福祉法人つくし会の理事長であり、つくし保育園の園長

 

千装 有紀さん

つくし保育園で1歳児クラスを担任

 

渡辺 成美さん

つくし保育園で1歳児クラスを担任

 

櫛谷 美優さん

つくし保育園で2歳児クラスを担任

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2022年5月当時のものです。