ビデオ会議疲れを防ぎたい!テレワークのコツは「仕事の見える化」

2020.05.27
こんにちは、萩原です。 ここ2~3週間、メディアや社外の方から同じようなことを聞かれることが増えました。 突き詰めると、多くの方の興味はこの3点に集約されるようです。  
テレワークは現状どこまで広がっているのか? うまく進めるためのポイントは何なのか? 今後どうなっていくのか?
  そこで、ここ最近のセミナーや取材でお話ししてきた内容を整理しておきたいと思います。  

 テレワークや在宅勤務が求めたのは「仕事の見える化」

新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、また緊急事態措置に対応するため、これまで対面でおこなうことが当たり前だった仕事を、突然オンラインでおこなう必要が出てきた。 多くの方にとって、このような状況が生まれたと思います。そして、想像以上に多くの企業で「仕事が止まってしまった」のではないでしょうか? この状況でも、仕事を進めるため。テレワークは、一部の先進的な働きかたをする企業や人のものではなく、ましてや特定の状況にある社員のための福利厚生でもなく、誰にとっても必要なものとなりました。   普及率は首都圏をはじめとする都市部で30~50%ほど、その他の地域ではまだまだ普及途上にあります。 参考:テレワーク実施率が高い都道府県ランキング、緊急事態宣言の効果は?https://diamond.jp/articles/-/236011  

 実は今までもやっていた「仕事の見える化」

ところがよく考えてみると、実はこれまでも対面でおこなうことが難しかった仕事はたくさんありました。  
  • 離れた現場間でのコミュニケーション(指示、周知、報告、連絡、調整など)
  • 同じ時間に顔を合わせられないスタッフ間のコミュニケーション(原因は、外出、会議、シフト勤務などさまざま)
  • 個人のお客様への継続的コミュニケーション(新規営業、既存営業とも)
  こういった仕事が、これまでどのように解決されてきたかといえば、それは「オンライン化」または「見える化」でした。離れた場所にいる人に確実に伝えるために社内ポータルを使う。時間が合わない人にも情報を共有するために事務所の行動予定表や引き継ぎノートに書いておく。お客様に毎回会いに行くわけにはいかないのでカタログを郵送し、電話でフォローする。   これらはすべて、同じ時間・場所にいられない人と仕事をうまく進めるための工夫です。 テレワークや在宅勤務で必要なことも同じです。同じ場所にいなくても、仕事をうまく進めるための工夫が求められているのです。それはつまり「見える化」に他なりません。これまでのように事務所の行動予定表や引き継ぎノートは使えないので、オンライン化も必須です。  

 防ぎたい「ビデオ会議疲れ」

そこで、仕事のオンライン化=ビデオ会議だ!と考える人が多かったようですが、ちょっと待ってください。仕事のコミュニケーションすべてをビデオ会議でおこなうのは、現実的ではありません。そのことは、上の例にあげたようなコミュニケーションが、ビデオ会議でおこなわれていなかったことからも明らかです。 同じ時間を共有する必要がないこともありますし、わざわざ会議をするまでもないことも、たくさんあります。 これまで当たり前のように、「仕事のコミュニケーション」が会社の中や現場でおこなわれていましたが、それらをオンライン化するときに、どうするのが適切なのかは内容によります。 ビデオ会議かもしれないし、ビジネスチャットかもしれない。オンライン掲示板かもしれないし、カレンダーを共有することかもしれません。仕事のコミュニケーションは思っている以上に幅広い。会議・立ち話・郵送・電話・FAX・メール・配布資料。議論・報告・意見収集・調整・相談・確認・周知・雑談。

オフィスというコミュニケーションインフラ

こう見てみると、会社って、仕事をするだけでなく、コミュニケーションをするのにも、とても効率が良かったことに気づきます。会社という物理的なオフィス環境はコミュニケーションインフラだったんですね。   会議もできる、相談もできる、雑談もできる。各チームの盛り上がり具合や、メンバーの顔色もわかる。在席・不在のステータスもわかるし、取り込み中か手が空いてそうなのかもわかる。さらには、在庫量や資料の出来栄えもわかるし、来客数や在庫量までわかる。   物理的なオフィスでは、こういったさまざまなことが自然と「見える化」されていたのです。こういった情報は、仕事をスムーズに進める上で必要であり、誰もが自然とこれらを目にして、参考にしながら仕事を進めていました。このような情報は、けっして「ビデオ会議」だけで補うことはできません。   幅広い仕事を「見える化」するための取り組みは、これからも必要です。緊急事態宣言が解除されたとしても、ウィルスがなくなるわけではありませんから、引き続きテレワーク・在宅勤務が必要な状況に変わりはありません。仕事の見える化は、さらに進めなくてはいけないのです。   新型コロナ収束後も「テレワーク続けたい」6割超 生産性本部調査   テレワークで仕事をうまく進めるうえで課題となるのは、ITツールやIT機器だけでなく、むしろ仕事のやり方そのものを見直すことです。日本経済新聞社の調査結果を見ると、ITツール・機器の整備不足よりも、紙を前提とした業務のを課題と捉えている企業が多いことがわかります。   テレワーク 導入企業の9割「運用に課題」

 テレワーク・在宅勤務のコツ

見える化された職場は、活性化し、業績が上がる

テレワーク・在宅勤務が、仕事の「見える化」だと考えると、うまく進めるためのコツもわかりやすくなります。   新しいツールの導入や使い方の話ではなく、むしろ新しい仕事の進め方をどうするかを決めるのが大事なのです。どうやって、今まで会社や現場で見て確認していた仕事を、離れた場所からでも「見える」ようにするのか。   そのために必要なのはツールだけでなく、日々の習慣をちょっとずつ変えることです。  
  • 行動予定表に書いていた個人の予定や会社の予定を、オンライン上の予定表に書いて、全員が見えるように共有する。
  • 引き継ぎノートに書いていたことは、オンライン上のメモやチームのチャットで伝えるようにする。
  • 事務所の掲示板に貼っていた今期の目標や重要な周知事項は、オンライン上の掲示板に載せ、いつでも確認できるようにする。
  • あの人の机の上にあるはずだった資料はスキャンして、オンライン上のフォルダに置く。
  • 会議をするまでもないちょっとした相談ごとは、1対1のチャットや電話、またはビデオ通話でおこなう。
  • 目視で確認していた現場の状況や在庫量は、写真で共有する。
  こういったことを進めていけば、テレワークもうまく進められる上に、テレワークできない人にとっても、仕事の見える化が進み、一石二鳥です。   さらに、これは LINE WORKS のお客様からよく聞く話なのですが、こういった環境を整えると、今まで上がってこなかった意見が上がってきたり、新しいアイディアが生まれたり、社員どうしでの助け合いが広がったりして、組織が活性化し、業績が上がることもあるのです。こうなれば、一石三鳥、四鳥です。  

 決めておきたい運用ルール

こんな風に LINE WORKS を有効活用しているお客様は、始める前に運用ルールをうまく作っています。   あらかじめ、さまざまな階層・組み合わせのグループを作っておいたり、社員が自由にグループを作れるようにしておくことは有効です。会社では誰と話そうが問題ないのに、オンラインではダメと制限するのは不自然です。オンラインのいいところは、これまで月一でしか開催できなかった店長同士の情報交換がいつでもできるようになる、といった形で、物理的な制約(エリア)を超えて交流がはじまるところです。   また、プロフィールに顔写真を入れることで、親近感とともに、発言への責任感をもってもらうようにすることも効果的です。匿名のSNSでは無責任な発言が多いですが、実名のSNSではそうならないのと同じ仕組みですね。   それでも、管理職や経営者の皆さんからすると、いろいろなリスクを感じると思います。社員が勝手にやり取りしはじめたら、統制が効かなくなってしまうのでは。見えないところでハラスメントが起きるのではないか。そう感じる場合は、あぶなそうだなと思うところから、ルールを決めましょう。特に、人事労務管理やITインフラの扱いが気になる方が多いと思いますので、例をあげておきます。  
  • 業務時間の区切り(開始と終了)の合図を決める。
  • 業務時間外の発信は自由だが、確認は翌営業日で良い。
  • 緊急時の連絡には、専用のグループトークを作る。
  • 雑談しても良い。
  • 会社で利用するツールなので、問題があったときは担当部門が監査する可能性があることを知ってもらう。
  • 利用機器や通信費など、会社と社員の費用分担を明らかにしておく。
  仕事を見える化しておくことは、社員を評価する際にも役立ちます。日々の仕事が誰にとっても見えるようになれば、上司との同席が多いことや会社に長くいることが高評価につながることもなくなるでしょう。 細かな運用上のコツもいくつかご紹介します。   私は、上司や目上の人からの連絡への「返信マナー」は、先に決めておくことをお勧めしています。あらかじめ決めておかないと、部下の人が気を遣いすぎて、謎マナーが生まれてしまうのです。   社長や上司の発信に対して、「承知しました」という返信が20通続く、「OKです」というスタンプが30個連打される。こういった双方にとって無駄なやり取りを避けるためにも、即レスを求めない、既読スルーOK、というルールを決めておくのが大事です。   前半でお伝えしたとおり、チャットの良さは同じ時間・場所にいられない人と仕事をうまく進められる点にあります。即レスを求めたり、必ず返信することを求めたら、むしろ良さが消えてしまいます。在宅勤務なんだから、すぐに確認できるだろう!という期待値ではじめるのはダメなパターンです。   また、メンションに「さん付け」をしないこともお勧めしています。誰かが付け始めると、付けない人が失礼、といった無駄な忖度が始まります。最初から「さん付け不要」というルールにしてしまいましょう。こうすれば、2文字の入力という生産性のない時間を生むこともなく、『しまった、付け忘れた!』という思いをする人も出ないので、みんな幸せです。ちなみに、弊社では社長宛てのメンションでも「さん付け」無しです。   雑談OKというルールも忘れずに。今回のテレワーク・在宅勤務をきっかけに、多くの人が職場での雑談の重要性に気づいたと思います。雑談がなくなったことで、急速に孤独感や孤立感に悩む方が増えていると聞きます。リアルな場で大事だったことは、なるべくオンラインでも残せるよう、工夫したいものです。   テレワーク導入やルール策定に役立つガイド資料を配布しています。 下記よりダウンロードください。   ビジネスチャットの間違ったはじめ方 ビジネスチャットの正しいはじめ方

これからどうなるのか?

私たちは、新しい生活様式だけでなく、新しい仕事のやり方も模索していかなくてはなりません。   ウィルスがなくなっていない以上、今後も接触を減らしながら、うまく仕事を進めていく方法を作っていく必要があります。これまでと同じ人数で現場を回すことは難しいかもしれません。これまでのような人数でお客様を訪問することも控える必要があります。会議の参加人数も減らす必要がありそうです。   だからこそ、仕事をうまく進めるための「見える化」を、ビジネスチャットやビデオ会議、オンライン掲示板、オンライン予定表、共有フォルダなどを使って進めていくことが大事です。   社員やお客様の安全を守りつつ、仕事を進める。そのために、こういったツールをうまく活用しましょう。   今は、新しい取り組みを試すには絶好のチャンスです。社内はもちろん、お客様や取引先に対しても、今なら新しい取り組みを始める良い口実があります。   仕事で使うコミュニケーション手段は、これまでも増えてきました。  

郵送、電報、電話、FAX、Eメール

  新しい手段が出てきたからといって、以前の手段が消えたわけではありません。利用するバランスが変わり、私たちは適材適所で使い分けています。ここに、  

ビジネスチャット、ビデオ会議、オンライン掲示板、オンライン予定表、共有フォルダ

  といった新しい手段が加わっていると考えるのが自然です。ツールに振り回されず、適材適所で使い分けていけばいいのです。   現状の制約を、新しい手段を試すチャンスと捉えてみてはいかがでしょうか。 まとめスライド 現在、LINE WORKS へのお問い合わせ・お申し込みも、とても増えております。   その理由は、LINE WORKS なら、無料版でも、ビジネスチャットに加えて、音声通話、ビデオ通話、オンライン掲示板、オンライン予定表、共有フォルダといった、仕事の見える化に必要な機能がすべて揃っているからです。   まだ試したことがない方も、そういえば以前試そうと思ったなという方も、この機会にぜひお試しください。100名まで、無料でお使いいただけます。   関連情報 テレワーク導入相談窓口   テレワークのためのLINE WORKS導入ガイド 公式Twitter
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