日本の組織で働く人が、コミュニケーションツールを選ぶ際に気をつけてほしい5つのポイント

masahiro.hagiwaraの投稿 カテゴリー:社員ブログ []

「次回はこのテーマについて書きます」と言ってから、なんと8ヶ月も経ってました(汗

自分でもどこまで書いたか忘れるほどですが、前回の記事「日米でコミュニケーションツールに求められるコトが違う5つの理由」はこちらです。

 

さて、日本で働く人に向いてるコミュニケーションツールの特性ですが、

ズバリ

日本の組織文化とコミュニケーションスタイルを反映できる

がポイントです。

 

どういうことでしょう?

前回記事のまとめで

空気や感覚の共有がなにより大事、会議が多く、移動は電車、PC開けずスマホ中心、意見を言うのは遠慮がち

という組織に、オープン型のツールを入れても効果出にくいですよ、と書きました。

 

これを5つのポイントに分解して考えていきます。

 

1. オープン型ではなくクローズ型のコミュニケーションができる

「こんな(誰が見ているか分からない)ところで大事な話ができるわけないだろう!」と言う(思う)人が多い。

「大事な話は別途少人数の会議で」ということがよく起きる。

「誰に見られるか分からないから、無難な内容にしておこう…」と考えがち。

 

こういったコトに心当たりがあるなら、クローズ型のコミュニケーションを求めている、ということです。

クローズ型とは、

  誰がその場に参加しているか分かる。誰と話しているかが明確。

ということです。

かつての Facebook は完全なオープン型でしたね(今は投稿の公開範囲を細かく設定できますが、かつてはすべてが全世界へ公開でした)。

LINEはクローズ型です。

トークルームにいる人が明確で、その外に会話が漏れることはない。

 

いわゆるナレッジポータルとか、情報共有掲示板とか、エンタープライズSNSと呼ばれていたもの(最近あんまり聞きませんね)は、基本的にオープン型のツールです。

こういったオープン型のツールがうまくハマるのは、もともとの組織文化やコミュニケーションスタイルがオープン型だった、というケースが多いんです。

 

もちろん、ひとつのチームが必ず片方の特性だけを持っているということはないですが、どちらの比重が大きいか、はツールを選ぶうえで大事なポイントです。

一番危ないのが、経営者や一部の(先端的な)人はオープン型のツールを志向しているが、メンバーの大半はクローズ型のコミュニケーションをしている、というケース。

だいたいツールを入れても使われず、経営者に「ウチの社員は遅れてる!」

というストレスが溜まりがちです。

 

これは、進んでるとか遅れてるとかじゃなく、スタイルの違いだと思うんですよね。

ごくまれに、ツールを入れることでスタイルも変わる、というケースもありますが、それは、もともとメンバーにそういった志向があった、とか、マネージャーが変わって求められるコミュニケーションが変わったなど、何らかの要素が働いていると考えた方がいいでしょう。

 

皆さんのチームでは、オープン型とクローズ型のどちらのスタイルが求められていますか?

 

「ウチの会社には、クローズ型のコミュニケーションニーズが根強いな」

と感じるなら、その部分にしっかり対応できるようなツールを選んでください。

 

2. コミュニケーションのハードルを下げられる

多くの人が集まる場所で意見を言うのは畏(おそ)れ多い。

会議でしゃべるのはいつも偉い人だけ。    

自分が知っているこの程度のことなら、たぶん誰でも知ってるだろうから、あえて発言するほどでもないかな、と遠慮する人が多い。

 

こういったコトに心当たりがあるなら、コミュニケーションのハードルを下げる必要があります。

一部の人だけは使ってるけど、大半の人は使ってない、では意味がないんです。

コミュニケーションツールである以上、誰でも使える・使っている、という状態を目指したいもの。

人間はコミュニケーションする動物ですから、放っておいても、だれでも必ずコミュニケーションはしているもの。

リアルな世界で行われているコミュニケーションを、いかにデジタルな場でも再現できるか。

このときに大事になるのが、コミュニケーションのためのハードルです。

 

ハードルは大きく2つあります。

ひとつは フォーマリティ (formality) 、つまりどこまで形式が求められるか、です。

この点で、Eメールはもうダメですね。

本格的な普及から25~30年ほど経ち、もはや日本においては最大級の形式性が求められるコミュニケーションツールになってしまいました。

「お疲れ様です ~ よろしくお願いします」のセットは、あたかも頭語と結語(拝啓ー敬具)のように利用されています。カフェでおもむろにラップトップを開き、WIFIルーターを接続し、メールアプリを開いて、「よしっ」と書き始める様子は、あたかも侍が、木机の上に和紙を広げ、硯(すずり)で墨をすって、筆を取り、「いざっ」と書き出す様を思い起こさせます。

以前の記事でもこのように書きましたが、Eメールとはキッチリカッチリ書くものである、という慣習を変えるのは、もはや難しい。

https://line.worksmobile.com/jp/blog/staff/communication-at-work-2

 

社内通達のノリで書かれる掲示板も同様ですね。

様式に沿って書かれてないと稟議が通らないとか。

 

さて、皆さんが選ぼうとしているツールで実現したいコミュニケーションとは、どんなタイプのものでしょうか?

 

現場でのスピード感や、ちょっとした確認、緊急性の高い連絡、リアルな場での会話の延長。

こういったことを実現したいなら、対話型(チャット型)のコミュニケーションツールが適しています。

チャットツールやメッセンジャーアプリと呼ばれるツールでのコミュニケーションは、まさにおしゃべり(チャット)であり、会話そのものをデジタル化したものと言えます。ですから、前置きなく会話を始めることもありますし、都合が悪ければ返事ができないことも、一般的と考えられています。

https://line.worksmobile.com/jp/blog/staff/communication-at-work-2

 

コミュニケーションにおける、もうひとつのハードルが次のポイントです。

 

3. ITリテラシーを問わない・高いITスキルを求めない

先ほどの内容と一部重なりますが、コミュニケーションツールである以上、誰でも使える・使っている、という状態を目指したい。

であれば、一部のリテラシー・スキルの高い人だけが使えるツール、ではダメですよね。

 

ウチの会社(業界)は、他と比べて一段と ITリテラシーが低い人が多い。

以前に新しいツールを試したところ、ほとんどの人が最初につまづき、すぐに使われなくなってしまった。

 

こういった発言、実はとても多くのお客様からお聞きします。

その結果何が起きるかというと、仕事のコミュニケーションは結局、電話・対面や紙・Eメールの3つが中心という、20年前とあまり変わらない状況です。

 

対面の会議や朝礼・終礼を開催するのにスキルは求められません(効果的な会議運営とかはまた別です)。

電話や紙、ホワイトボードというツールを使うときに「スキル」を意識することはありませんね。

Eメールは少し難しいですが、(あらかじめ設定してあれば)読んで返信するくらいなら、多くの人ができる。

だから、結局この3つになってしまう。

 

ところが、よく観察してみると、そんな人たちでも実は対話型ツール(チャットツール)を使っている。

しかも仕事の場面でも、ということがあります。

その代表例が、ガラケー時代から存在しているショートメッセージ(SMS – iMessageを含む)と、家族に招待されて以来わりと使いこなしているLINEです。

 

弊社の調査では、プライベートではおよそ8割の人が、仕事でもおよそ5割の人が何らかの対話型ツール(チャット)を使っています。

これは、他のITツールではありえないことで、対話型のハードルの低さに加えて、ツール自体が難しくない=高いITリテラシー・スキルを求めていないことの証左でもあると思います。

 

さて、皆さんのチームメンバーのITリテラシーはどのレベルですか?

 

冒頭のように『ウチの会社は、他社と比べても一段と ITリテラシーが低い人が多いんだよな…』と感じているなら、そのような方々に試しに使ってもらいましょう(トライアルや試験導入)。

その方々が「これなら使える!」と言ってくれたら安心です。

 

4.  スマホで何でもできる

イマドキどのツールもスマホ対応してますが、意外と落とし穴もあったりします。

あくまでもパソコンで使うことが前提で、その補助ツールとしてスマホ版があるのか、それともスマホだけで使うことも考慮されているのか。

これはツール(サービス)の思想や哲学なので、機能強化されるときにも色濃く反映されます。

もともとパソコン向けのサービスとして提供されていた場合、XX機能はパソコン版のみ対応しています、というだけでなく、XXをやる場合はパソコンで設定してください。

というケースが意外と多いのです。

そうなると、そもそもパソコンを使える環境に無い場合・社員は、やりたいことができない、ということになりかねません。

 

社員の移動はたいてい電車・タクシー・社用車なので、パソコンを開くのは難しい。

日中はずっと外にいるので、よほどアポの間に余裕がない限り、パソコンや社内ツールを見てくれない。

現場には共有パソコンがあるだけ。お客様対応をしているとそれを見る時間もない。

 

ホワイトカラーであってもデスクワーク中心とは限りません。

ましてや、現場で働く人が多い職場であれば、日中パソコンを使える環境にあるのは一部の管理職と事務の方だけ、というケースも多いでしょう。

上記のような働き方をしている人が多い職場であれば、そもそもパソコンで使うことを前提としたツールでは、本当に現場で必要なコミュニケーションニーズはいつまでたっても満たされないまま、ということになってしまいます。

 

皆さんの仕事仲間はデスクワーク中心ですか?それとも外出がちだったり、現場にいる時間が長いですか?

 

5. 自社のポリシーを反映できる

企業や組織で使うとなると、欠かせないのがこの観点ですね。

これも一般的なシステム観点だけでなく、組織文化やコミュニケーションスタイルから考えてみましょう。

 

社長と役員だけはXXXできる必要がある。

役職や職級に応じて、できることを細かく設定したい。

所属組織によって、閲覧できる範囲を設定したい。

 

こういった要件は、システム的なセキュリティではなく、組織文化やポリシーの反映と言えます。

このあたりも欧米系オープン型のツールは「基本、社員に任せる」という文化やポリシーを反映することが多く、そこまで細かな設定を想定していなかったりします。

一方で、本当に細かな要求をすべて満たそうとすると、完全な作りこみ・カスタマイズが求められ、コスト・工数・メンテナンスなどあらゆる面で非効率です。

 

役職や所属組織がさまざまな活動の判断基準となっているなら、そうした文化・ポリシーがあるということですから、それが反映できるようなツールを選ばないと、余計な混乱を生みそうです。

一方で、役職や組織を超えたコミュニケーションを気軽におこなう土壌があるなら、この部分は細かく気にしなくても、運用でカバーできるでしょう。

その場合は、一般的なシステム的なポリシー(アカウント管理、データセキュリティ、データの保存年限など)を中心に検討を進めれば良いと思います。

 

 

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