ツールの前に、仕事場でのコミュニケーションについて考える(後編)

2018.03.12


こんにちは、はぎわらです。
 
前編からの続きです。
前回は、仕事でのコミュニケーションがここ5〜10年ほどで変わってきた、カジュアル化してきた。その背景には、仕事で求められるスピードが上がっている、という話をしました。
 
こういった仕事でのコミュニケーションスタイルの変化を反映して、Eメールでのコミュニケーションもまた変化してきました。Eメールが利用され始めてもう20年以上、世の中に普及してから10〜15年ほど経つでしょうか。Eメールの書き方(ルール)が作られたのはその頃ですから、当時のコミュニケーションスタイルが反映されています。
 
 
例えば、仕事でのEメールといえば「お疲れ様です」ではじめ、「よろしくお願いします」で終えなければならないかのように、このセット表現が普及していますが、このような慣習はEメールが仕事で利用されるにつれて、当時のコミュニケーションスタイルを反映して、作られたものです。
 
ここに色濃く現れていますが、Eメールと言うだけあって、手紙を進化させたコミュニケーションスタイルが作られていったということです。
「お疲れ様ですーよろしくお願いします」のセットは、あたかも頭語と結語(拝啓ー敬具)のように利用されています。カフェでおもむろにラップトップを開き、WIFIルーターを接続し、メールアプリを開いて、「よしっ」と書き始める様子は、あたかも侍が、木机の上に和紙を広げ、硯(すずり)で墨をすって、筆を取り、「いざっ」と書き出す様を思い起こさせます。
 
 
一方で、チャットツールやメッセンジャーアプリと呼ばれるツールでのコミュニケーションは、まさにおしゃべり(チャット)であり、会話そのものをデジタル化したものと言えます。ですから、前置きなく会話を始めることもありますし、都合が悪ければ返事ができないことも、一般的と考えられています。
 
従来、携帯電話のキャリアメールが担っていた、いつでもどこでもコミュニケーション(連絡)できると便利、というニーズは、いまや完全にスマートフォン(スマホ)でのチャット・メッセンジャーに置き換えられました。
 
 
この便利さは、当然のように仕事でのコミュニケーションにも波及しています。実は、チャットやメッセンジャーによるコミュニケーションは、スピード重視でカジュアル化が進んだビジネスコミュニケーションのニーズに、非常に合致しています
 
単なる情報共有ではなく、伝達・依頼・確認・承認といった緊急性が高く、細かいコミュニケーションの場合、そもそもツールを利用する手間が掛かっては本末転倒です。今でも「緊急の要件は電話」という人が多いのは、緊急の際にすぐに使えることに加え、利用方法が簡単で誰でも使え、さらに相手に伝わったことがその場で確認できる点が大きいと思います。
 

  1. すばやく使える
  2. 簡単で誰でも使える
  3. 相手に伝わったことが確認できる

昨今普及しているチャットツール・メッセンジャーツールは、まさにこの3点を満たしています。
 
世帯普及率がパソコンに並んだスマホ*は仕事をしている多くの人にとって、身近にあり常に利用できる、すばやく使える状態にあるデバイスでしょう。パソコン上のツールに比べ、スマホアプリの操作は直感的でITスキルを問いません。そして「既読」と呼ばれる機能によって相手に伝わったことも確認できます。
まさに、仕事での緊急性の高いコミュニケーションに適していると言えます。
* 総務省 平成29年版 情報通信白書 情報通信機器の普及状況より。ちなみに「モバイル端末」全体の普及率は、すでにパソコンを大きく上回っている。
 
 
同時に、電話には相手の状況にかかわりなく割り込むことになるという弊害がありますが、それをうまく補ってくれます。
「電話で割り込むほどではないが、伝えておきたいことがある」「電話はできないが、空き時間にちょっと返信できれば解決する」
こういった状況は意外と多くあるものです。
 
仕事で緊急性の高いコミュニケーションが、誰でもすばやくできるようになると、大きなメリットがあります。
 
単純に、ひとりひとりの作業効率が高まるだけでなく、チームメンバーへの伝達が早くなりますから、チーム全体での待ち時間も減り、仕事の大幅なスピードアップにつながります。
 
部門長の確認・承認待ちで、メンバーの待機状態が続き(もちろん他の作業をしながらとは言え)、確認の返信が来た頃には、メンバーが次の作業や会議に入ってしまっていた、ということがよくあります。こういったときに、部門長がすばやく返信してくれると、チーム全体の仕事が一気にはかどりますよね。
 
急ぎの要件が多い仕事でのコミュニケーションだからこそ、チャットのような、誰でもすばやく簡単に使え、さらに相手に伝わったことが確認できるツールの便利さが重視されているのだと思います。
これに加え、スマホならではの特性もあるのですが、それはまた別の機会にご紹介したいと思います。

  • ※ 本掲載記事の内容は投稿当時の情報となり、2022年4月1日に改定された新料金プランとは一部異なる内容を含む場合があります。