ツールの前に、仕事場でのコミュニケーションについて考える(前編)

2018.03.05


 
こんにちは、はぎわらです。
ワークスモバイルジャパンでLINE WORKSを世に広める仕事をしています。
 
 
それなりに歳くっているので、歴史について語ってみようと思います。社会人歴が長い方に共感いただけると嬉しいです。
あらためて考えてみると、仕事でのコミュニケーションスタイルはずいぶん変わってきたと思いませんか。
 
少し前までは、仕事でのコミュニケーションというのは、きわめて厳格なルールや格式があり、それをマスターして初めて社会人として一人前になれる、という感覚でしたよね。
敬語の使い方は当然として、電話の受け応え、訪問時の挨拶の仕方、会議室やエレベーターでの席次順、お礼状の書き方などなど。
 
 
それが、ここ5~10年ほどで、ずいぶんと緩やかになったように思います。
例えば「社内では、役職(課長や部長など)で呼ぶのではなく、さん付けで呼ぶ」という習慣は、多くの会社に浸透しました。社外のお客様や取引企業との会話やお付き合いでも、かなりカジュアルなコミュニケーションが受け入れられるようになりました。以前は、取引先の方も役職を付けてお呼びしてましたよね。
 
敬語の使い方などもずいぶん緩和され、(お互いに使いこなすのが大変な)尊敬語や謙譲語ではなく、丁寧語で良い、という認識が高まったと思います。
 
 
もちろん一定のルールは今でも残っていますが、なぜこんなに変わってきたのでしょうか?いくつか理由はあると思いますが、私は仕事で求められる「スピード」が以前に比べて圧倒的に早まったからだと思っています。
 
技術の進化によって、ひとつひとつの仕事は以前より早く終わることが期待されるようになっています。したがって、お客様や取引先から対応を要求される期限も短くなり、遅いことがそのまま競合との差になってしまいます。
 
 
一方で、取り扱う情報やデータは爆発的に増えました。企業としても個人としても、大量の情報を処理しなければならない今、ひとつひとつをしっかり丁寧に対応していたら、いつまでたっても仕事が終わりません。
 
ですから、ときにはルールを省略したり簡素化したりしながら、スピード感のあるコミュニケーションをおこなうことが必要になり、またそういった簡素化が受け入れられるようになってきたのだと思います。
 
 
スピードが早まるにつれて、仕事でのコミュニケーションのカジュアル化、別の言い方をすると感情表現が許容されるようになりました。
 
仕事でのコミュニケーションと言えども、そこまで格式ばる必要はない、むしろある程度の親密さがあった方が良い、と考える人が増えたのです。Eメールでのミスコミュニケーションを体験してきた人ほど、文字情報だけでの情報共有の限界・弊害を理解し、(笑)(苦笑) m(_ _)m といった表現や絵文字などをうまく利用することで感情やニュアンスを表現し、コミュニケーションを円滑にすることを学びました。
 
いわゆるデジタルネイティブ世代が労働力の中心になってきたことにより、さらに仕事でのコミュニケーションのカジュアル化や感情表現への許容度は高まっているように思います。
 
後編へ続きます

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